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やはり彼女は美しい
私は彼女を愛している。 彼女は優しかった、優しさの花粉を振り撒くその姿は球根ベゴニアですら敵わない。 彼女の笑顔には楊貴妃ですら敵わない。 彼女は優しかった、優しすぎたのだ。 薄汚いアパートの一室、白くなった彼女が飛んでいた。 翼こそ生えてはいないがその姿は天使を彷彿とさせた。 その時顳顬から稲妻、眉間から尊厳、鼻先から愛が溢れ出した。 尾骶骨から落ちる一滴の赤い雫、足元には池が創造された。 やがてここは汚れた鍾乳洞となるだろう。
やはり彼女は美しい ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 662.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-11-21
コメント日時 2023-11-24
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
歌誌「帆」選考担当の一人、鷹枕可でございます。 此の度は、自由詩掲載枠にご応募ご投稿を賜り、允に有り難うございます。 御作を拝読させて頂きました。 ショッキングな内容を、上手く昇華をなされていると、感受を致しました。 ベゴニアの配置の妙も然ることながら、 「彼女」と「私」の頭部、顔面の状態の比喩も凄まじく、対比が利いていらっしゃると思いました次第でございます。 最終聯の >やがてここは汚れた鍾乳洞となるだろう。 の一行の飛躍も見事、と思いましたが。 此処からは、一般論と為ります。 >私は彼女を愛している。 此の一行に、全きに於いて体温が感じられず(反語と致しましては見事ではございますが)。 余りに人間性に於きまして冷徹、露悪が過ぎる、と思いました次第でございます。 此れは、評者自身の勝手な価値尺度ではございますが。 人間性、とは不完全性に宿る、と考えて居ります。 不完全性、とは感情の揺動(愛情なり憎悪なり)、機微の事を此処では指す事と致します。 御作を拝読させて頂き、率直に感じました事を述べさせて頂きます。 感情が、死んでいる様に感ぜられるのでございます。 それはまるで、人身事故現場をスマートフォンにて無言で撮影を致します観衆の様に。 不完全性を克服致しました、「完全」なる人間=感情の無い人間、ならば、その存在に詩情は宿りますでしょうか。 舞台装置も、道具立ても、配役も、 対比も、暗喩も、修辞も。 総て見事であると申しますのに、そこに情感、情緒、詩情が。完膚無き迄に存在をなされないのは。大きな欠点ではないのか、と感受を致しました次第でございます。 下記に、歌人・飯田有子様の御言葉を引用させて頂きたく存じ上げます。 「こわれないものはつくっちゃいけないの。こわれないものはほかをこわすの。」 生半可な人間だ、と御笑いに為られるかも知れませんが。 掲載の可否に付きましては、上記の理由から難しい、と私は判断を致しました次第でございます。 とはいえ、作品水準は一定の指標を充たしていらっしゃられると思われますので。 一旦、合議に掛けさせて頂きたく存じ上げます。 結果は、追って御知らせをさせて頂きたく存じ上げます。 暫し、お待ちくださいませ。
0ありがとうございます。
0神話的な骨格を思いました。 「その時顳顬から稲妻、眉間から尊厳、鼻先から愛が溢れ出した。」 こんな一行から、古事記など、女陰から稲穂?ちょっと忘れ仕舞ったのですが、神話的な構造を思います。足元に創造された池、これは古事記の冒頭部分の鶏の卵を使った例えと言うのか、混沌的な状況を思い出させるものでした。
1歌誌「帆」より、合議の結果を御報せさせて頂きたく存じ上げます。 今回は残念ではございますが、掲載不可との言辞を賜りました次第でございます。 想像喚起力に於きまして、未だ弱いとの批評を賜りましたので、今後は其処を意識しつつ研鑽をしてくださりますと宜しいのでは、と存じ上げます。 それでは、どうか復のご投稿をお待ち申し上げております。
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