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はじめましてお久しぶりです
おばんでした。 はじめましてお久しぶりです。 私が私として、 あなたがあなたとして、 互いを認識しあったのは、 もう何度目になるでしょう。 あなたの顔が、声が、においが、 私の中の誰かと一致する、 ような、 しないような。 同一な誰かは存在しないはずなのに、 あなたは私をご存知ですね。 お久しぶりです。どちら様? 脳みそのどこか、 縮れた鎖に囚われた箱のひとつ。 玉手箱、パンドラの箱、ビックリ箱。 私が開けるのだから、これは筆箱、 彫刻刀が二本も入っています。 切れ味がよくないだけが取り柄なので、 さあさあ、お逃げなさい。 今までに私とすれ違った人たちのように、 すり抜けたあの日の裾に勿忘草の魂が芽吹くように、 自ら一昨日の夕飯の上に刻みつけてしまうから。 お逃げなさい、遠く遠くの現実へ……。 おはようございます。 はじめましてお久しぶりです。 もし、今度また会ったなら、 私を私として認識する前に、 どうか私を忘れてください。 他でもない、私の為に、 どうか忘れてはくださいませんか。
はじめましてお久しぶりです ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 927.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 100
作成日時 2018-01-08
コメント日時 2018-02-01
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 100 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 100 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 100 | 100 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 100 | 100 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
花緒さん、 コメントありがとうございます。 「ハンドルネームと作品がマッチ」しているとのお言葉、大変嬉しく思います。 といいますのも、今回の詩はこちらの掲示板で「はじめましての挨拶をする為の詩」だからです。 「私らしさ」を煮詰めた結果、私から見た他人への距離感、自己イメージや意思の不安定さ等が浮き彫りになったようで気恥ずかしいですが、挨拶としては成功、と喜んでおこうと思います。
0Rさん、はじめまして。不気味な詩ですね~。 何度か読み返して、おもしろくて好きだとおもっていました。
0白井草介さん、はじめまして。 コメントありがとうございます。 気に入って頂けて嬉しい気持ちと、得体の知れない不安がぐるぐるします。 私はファンシーで優しい雰囲気の文章が(実のところ絵もですが)書けないので、久々に「不気味」と言われて懐かしい心地です。 ……あら?ということは、もしかすると「お久しぶり」でしょうか?なんちゃって(笑)
0投稿有難う御座います。平易な言葉で書かれてあるのですが、上手く呑み込めない。そういう意で私にはとても難しい作品です。何度読んでもしっくりいかないのです。一般的にネガティブに捉えられる動詞を望みとして書かれているから、なのでしょうか。今後とも宜しくお願い申し上げます。
0三浦さん、 コメントありがとうございます。 自分にはどうも言葉の一般的なイメージを否定したがる性質もあるようです。それから、先のコメントにもありますような根底にある曖昧さや、さらっと無理をふっかけるあたりも「しっくりいかない」要因のひとつかもしれません。 ところで今、こちらに投稿する二作目は何にしようかと悩んでいるのですが、もし、今度また会ったなら、私を私として認識する前に、どうか私を忘れてくださいね?
0はじめまして! よろしくお願いします。 他人との関わりを回避したいという欲望と、でも挨拶してくれるという矛盾した構成。 それを突き詰めると、行き着く先はユーモアなんだなぁとたまげております。 必ず忘れます。それでは。
0緑川七十七さん、はじめまして。 回避したいようでいて自分から離れる訳でもなく、最後まで口ばかりな語り手でしたが、お願いまできいて頂けるなんて……! コメントありがとうございました。それでは、また。
0マルティン・ブーバー『我と汝・対話』を想起しました。ドイツ語でいうとBeziehung(関係)でしょうか。挨拶的な文脈も我と汝、私と君の関係、認識、哲学的な問題から詩へ、そんな通路を思いました。
0エイクピアさん、 コメントありがとうございます。 マルティン・ブーバー……知らなかったので、ちょっとググってみました。が、よく分かりませんでした。ただ、簡単な解説や要約をチラ見しただけの私がこの詩に照らして、改めて思ったのは、個人の識別と過去の記憶(複数の「汝」を見分け、統合する事)は「我と汝」の関係に必要なのか、それはどのような影響を与えるのか、挨拶(関係)と互いの認識はどちらが先か等々……。「我と汝」、興味深い話題ですね。 実は、作中の「私」は相貌失認です。 というのは嘘で、単純に「あなた」を記憶する気がありません。といいつつ、記憶の中には「過去のあなた」がいますが、同一と認識出来る範囲が極端に狭いので「今のあなた」とは一致しないだけかもしれない……。というようなイメージは込めてあります。
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