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草臥れたことを表すのに、知的な一捻り
不満があっても、吐き出すことが難しい場合、詩はいいと思う。 詩には論立てがあり、組み立てがある。音韻があり、メロディがある。 すると心の中で唱え、読むことが出来るので、内容を気に入って貰えれば、心が伝わる。 行間の中に空気がある。そこでこそ、知性を通して、人間は本物の空気を吸えるのだ。 磁石とは方角や方向を指し示す道具。それとナイフの組み合わせは、なにを指しているのか? 行くべき道、光が指し示す道があり、そこでこそ、ナイフは光る。 磁石がすり減るとは、なにか? それは温度変化により、磁石の減磁が起き、感知能力が衰えていくと言うこと。 それは人間的な摩擦の中で、徐々にその感知能力が萎えていったことを表しているように思える。その表現力と言葉のチョイスが素晴らしい。 ただ草臥れたと言うテーマを、ナイフだけで表すのでなく、磁石を組み合わせ、知的な一捻りがある。これがクリエイティブな作業の世界に生きる人の見せるプライドだ。 ただ疲れた草臥れた。それをむき出しで吐くことを良しとしない。 詩は、独房の中でさえ紙とペンがあれば、書ける。時間が大量に奪われている場合、時間潰しになる。クリエイティブな作業が向いている人には、とても魅力的なガス抜きの装置なのだ。 タイトルの消耗は、求めているものがあるのに、その自分自身がすり減り消耗していくという、磁石によりナイフが冴える幸福を選んだ人の持つもの。そこに軽やかさを感じました。求めているものがある以上、不満はあっても明るい。なにを求めているかわからなければ、表面的な明るさを保ち続けるだけだ。この詩は、暗いようで、とても明るい詩です。それは明るい人、クリエイティブな人が書いた詩だからです。
草臥れたことを表すのに、知的な一捻り ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 564.1
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投票数 : 0
作成日時 2023-11-09
コメント日時 2023-11-09
この詩に出てくるのはナイフと磁石ではなくナイフと砥石ですが、意図的な誤読でしょうか?
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