見せたいものがある
赤く焼けていく雲を
手袋でつかむ団長は
恐竜の図鑑を開いて
一匹の恐竜を指さす
ここに赤く焼けた雲があるだろ
この恐竜はこの雲を食べて生きていた
朝と夕
東の空と西の空に現れる
この赤く焼けた雲だけを食べて
ある時期を境にこの恐竜も絶滅した
それは突然の氷河期のためじゃない
飢えて死んだ一匹も残らず
食べ物がなくなったわけじゃない
ただ食べなくなった雲を
不思議だろ
食べたくなくなったわけでもないんだ
ただ食べなくなった
それで絶滅した
どんな気持ちだったんだろうね
飢え死にしてまで食べないというのは
団長はつかんでいた
赤く焼けた雲をはなす
ふぅっと中空にとけていく雲は
お伽噺を食べて生きるというのは
雲を食べて生きるみたいなものか
作品データ
コメント数 : 12
P V 数 : 1123.8
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-10-30
コメント日時 2023-11-17
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:1123.8
2024/11/22 00時32分37秒現在
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悲しかったのかも。
0雲を食べる恐竜とは架空性が高いのかもしれませんが、メルヘンチック以上に、ポエジーを謳歌するのに適しているのかもしれません。お伽噺と雲を食べる行為が等価かどうかはわかりませんがポエジーを謳歌している印象はありました。
0雲を食べる恐竜。 霞を食べる仙人みたいですね。 今の世においては、仙人の如く俗世から離れた者は滅びゆく宿命を負っているのでしょうか。 自ら雲を食べなくなったのは、お伽噺を信じられなくなったからなのかもしれません。 そう考えると、何だか寂しいですね。
0水亜鉛さんありがとうございます。 返信が遅くなりすみません。 そうですね。 かなしかったのかもしれませんね、湖に張った氷が割れるくらいに。
0エイクピアさんありがとうございます。 返信が遅くなりすみません。 なるべく詩(うた)うように意識しました。 ポエジーが感じられるものになってよかったです。 架空も空想も、書くことて存在できる。 そういう意味では、書くことで魂の器を作れるのかもしれませんね。
0m.tasakiさんありがとうございます。 返信が遅くなりすみません。 滅ぶという意味では、今の社会はそう遠くないうちに滅ぶと思ってます。 時代というのは変わるもので、恐竜の時代も氷河期も縄文時代も戦国時代も大航海時代も江戸時代もその後の時代もみんな過ぎていっていて。 恐竜が滅んでも、小さな哺乳類は生き延びて今も続いている。 そういう意味では、この後も残るのはどんな存在か。 案外、今、無用と切り捨てられている存在だったりするかもしれませんよ。 滅ぶのは、どの「恐竜」か。 なんて思ったりしますね。
0これさ、すごくいいんだけどどうコメントつけていいかわかんないんだよね。読み解けないというかこの詩自体が絵本にあるおとぎ話みたいなかんじがするから。夢があるんじゃなくて、余韻が心地良いみたいな感じ。浅はかな私の頭では無理にふかく覗かないほうがたのしめる。ろくなコメント書けなくてスイマセン……
0好きです。すてき。空想的で好み。
0なつかしいものが苦手だけど、ぱっと想像した団長が雲をつかんだところは好きでした。素敵です。
0A・O・Iさん、ありがとうございます。 返信が遅くなり、すみません。 自分が思うように書くと、よくわからないと言われますし、自分自身でもよくわかっていなかったりするので、大丈夫です。 作品に触れてくださり、ありがとうございます。
1湖湖さん、ありがとうございます。 返信が遅くなり、すみません。 誰かの琴線に触れられるのはうれしいです。 コメントを書いて伝えてくださりありがとうございます。
0西富山さん、ありがとうございます。 雲をつかむように、詩情をつかみたいですね。
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