この穏やかな国に生まれて、潮の香りが濃い町に育った、ギャングもドラッグも銃もない、イカれた人より変な人が多少いるそんな町、私の歩いてきた軌跡、ついてない事は多かったけど、それも比べてしまったら不幸じゃない代物だろうね、きっと贅沢な悩みだ、望んでもない生死と隣り合わせなんて、交通事故が無ければ私の日常には無い、過ぎ去る車から撃たれることもない、隣に座っている奴が頭を撃ち抜かれて脳ミソを撒き散らすこともない、オーバードースで死んだ人もいない、スリルがリアルから排除されている、そんな日々に生きてると知ってしまうと、自分の悩みとか葛藤、感じる怒りや悲しみ、喜びやありがたみなんてちっぽけなんだろうな、でもやっぱり悲しいんだよね、体調悪いまま仕事を乗り越えて、ヘトヘトで帰って来る時、そういう環境で生きてる人達が居ると考えた事があったけど、やっぱり辛いんだ、私の生きてる、生きてきた日常ではこれが辛いんだ、泣いたこともある、雨が降る、全身で浴びて、細胞の隙間にまで染み渡る感覚に感謝するなんてない、家もあって、部屋でひたすら過ごして、出掛ける時はめんどくさい顔して傘を差す、神なんて信じないのは、きっと不様だと思いながらも恵まれてきてるからなんだと思う、今日を生きる、生きられたことの重さが違うのかもね、だから死にたいとか独り言を言ってしまうのだろう、差別や迫害はなくて、なんとなく合わない気にくわないだけがあって、それで行われるのはせいぜい辛辣な言葉くらい、暴力はいけないこと、次には殺されるかもしれないなんて考えなくて良いんだ、でも浴びせられたら腹も立つし、傷付くんだ、でも比べてしまったらこんな事で感情を使うなんて馬鹿なんだろうなと感じる、私に「明日、君がいない」って映画がメッセージを届ける、ラストで死んでしまった彼女は私なんだろう、漠然とした悩みは解決されない、皆は自分の不幸に形があってそれに夢中なんだ、私には形がない、だからいつか自分にとっては真剣だけど、周りからは下らない理由で死んじゃうかもしれない、この詩が薄っぺらで、これまで書いてきたものがスカスカなのは、生きてきた場所の底が浅いから、それでもたまには伝われと願って書いてみたりする、そんな深みのない人生を歩んできていても、誰かの心に刺さりたいと思ってる、無理なのかな、怪我をしたり、病気をしたり、人や世の中を憎んだりもしたけど、それもまだ優しいのだろうから、言葉がまだ薄いのかな、これ以上の底は耐えられそうに無いのに、足りないのかな。
作品データ
コメント数 : 7
P V 数 : 1216.1
お気に入り数: 2
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-10-09
コメント日時 2023-10-13
#現代詩
#縦書き
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2024/11/22 00時09分36秒現在
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これは詩というよりも独白の散文ですね。 世界にはもっとひどい場所が沢山あって、今この国に生きている我々は恵まれているはずなのに、それでもやはり苦しい。それは恵まれた環境に生まれ育った者は、往々にして苦しみへの感覚が鋭敏になってしまうからかもしれません。 タイトルにある映画は観たことはありませんので、どのようなメッセージを伝えているのかはわかりませんが、ただ私が思うには、詩には芸術としての側面と心理療法的な側面とがあるようです。そして、カタルシスとなったりものの見方を変えたりする療法としての効果は、芸術的な完成度とは関係ないそうです。そういう視点から観れば、たとえ薄っぺらでスカスカでも意味のある詩というものもあるのではないかと考えています。
0よい作品だと思います。等身大の気持ちが伝わる。他方で - ギャングもドラッグも銃もないというのは、逆に異質にも感じます。それはそういうものが(あとで)存在する事を知った上での俯瞰にも思えるから。 けれどもこの作品でそういった事が問題にならないのは、書き手(語り手)の伝える感情が初行から最後まで一貫しているストレートさに支えられているからだと思う。
0表題の映画を観賞せずともこの詩の世界に入っていける、そういった文章の組立をされていて好感を持ちました。ギャングの生活と潮の香りが濃い町の生活という大きな設定を文頭に置かれることで、読み手の興味を引き、そこから内観について徐々に焦点を絞られるのですが、読み手の頭には先程の対蹠性がスパイスのように効いていて、「私」の感じる生き辛さ、深刻さをそれが上手く緩和していている気がして、気がつくと、死が日常的に転がっている暮らしに比べたらましだよねという共感へ、負の感情がすり替えられていて、また、そうなるように物語を上手くリードされていると思いました。静かに感情をかみしめるような終わり方も好きで、最後に見えてきたのは(僕の場合)優しさだったのですが、読み手にいくつかの受け取り方を用意されている、そういった間と余白の部分を含め、読み手を置き去りにすることのない筆力と、そしてそれをしっかりと伝える力の備わった書き手の方であると感じましたし、とても良くできた作品だと思いました。
0「明日、君がいない」のネタバレ考察のブログです。もし良かったら。読んで下さい。でも出来れば本編を観て欲しいかもです。 https://ellensdays.hatenablog.com/entry/2021/01/16/%E3%80%8E%E6%98%8E%E6%97%A5%E3%80%81%E5%90%9B%E3%81%8C%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%84_%EF%BD%9E2%EF%BC%9A37%E8%AA%B0%E3%81%8B%E4%B8%80%E4%BA%BA%E3%81%8C%E6%AD%BB%E3%81%AC%EF%BD%9E%E3%80%8F%E3%83%8D ここ最近は詩らしい言い回しとかよりも、リアルと言いますか、思ってることをなるべく素直な形にしようみたいな精神だったのでこの形ばかり書いてました。 元の仕事柄、メンタル療法の作用になるというのも知っております。だけど、なんなんでしょうね。無力を感じてしまうんですよね。雲みたいな、何かに見えそうだけど、分からない、触れそうだけどすり抜けてしまう、そんな不安とか悩みがモコモコ常に漂っていて、晴れない感じなんですよね。そんでそれが贅沢なんだとグローバル規模で語られると、どうしたらええねんってなっちゃうんですよ。
0昔からですが書くとなった時に全部仕上げるのがやっぱり良いなと感じます。継ぎ足し方式はライブ感が無いかなって思うんです。私は私だけど、どっかのタイミングで4行書いて、またどっかのタイミングで4行書いた時の自分は別人なんじゃないかなって、そうやって作った詩は継ぎ接ぎだらけの別人な自分をくっ付けた他人なんじゃないかなって。だから書くときに全部書いてます。
2ちょっとお返事とズレると思いますが、本当は副題にラッパーの生い立ちって言葉がありました。なんか海外のラッパーさんの言うリアルはギャング時代の日常で、死とスレスレだった日々、それに成功した今でも悩んだりしてるんだみたいな事を歌にしてるんですけど、今だと戦争ですけど、こんなリアルを言われたら私や私みたいな奴等は救われないじゃんってなったんです。だから私みたいなのが私みたいな奴等を救いたいみたいな気持ちはあったりします。
1今を生きよう
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