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鐘の音が聞こえるのです
あなたがいるその場所は 灼熱なのでしょうか? 氷のように凍てつくのでしょうか? 光に満ちているのでしょうか? 闇に閉ざされているのでしょうか? 季節は春なのでしょうか? 秋なのでしょうか? 北風が吹くのでしょうか? 南風が吹くのでしょうか? 人々は誰に向かって何を伝えようとするのでしょうか? 人々はお互いの目を見つめ合えるでしょうか? お互いの目の中に自分の姿が映るでしょうか? そこには傲慢、強欲、嫉妬、憎悪はあるでしょうか? 人を傷つける事の愉楽、悦楽はあるでしょうか? それとも眩い光の中で 人々はお互いの輪郭をはっきりと見出だし 人々は人々のために 幾つもの捧げる物を持つのでしょうか? その場所の扉が わたしに見えるでしょうか? 見えないでしょうか? わたしを迎えてくれるでしょうか? わたしを拒絶するでしょうか? 時々、鐘の音が聞こえるのです。 焦燥、疑念、蔑み、憎悪。 破壊、恐れ、略奪、喪失。 幾つもの巡り回る人間の呪縛が ひたすら私の脳髄を切り裂きますが、 時々、聞こえるのです。 確かに、聞こえるのです。
鐘の音が聞こえるのです ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 495.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-10-04
コメント日時 2023-10-06
項目 | 全期間(2024/11/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
おはようございます。 その、疑問形で、問う形で、しかし質問の順序が洗練されており かろやか、リードされつつ、読ませられましたね。 けっこう、集中、ですね、集中が効いていて、問う、という投げ出した形でありつつ その後半のブリッジに至る。 そうして「鐘の音」ですね。やっぱり想起させれらるのは「トカトントン」太宰治かな。 その日々に幻滅していくなかでなぜか「トカトントン」という音が聞こえる 少年、青年の相談の手紙の体の小説。 しかしこの作品は詩ということで、もっと感情に訴える形で、それは 現代版になっていると思うのですが。
1詩は時に様々な疑問を突きつけることがありますね。そして、問うた先になにがあるでしょうか?その答えは読者に任されるわけですが、同時に全く作者の手を離れるんだと思うのです。 結局何が言いたいか。この詩を読んで鐘の音を聴いたわけです。敢えて矛盾した表現を使うと澱みなく澱んでいて、美しく汚れている鐘の音を聴きました。とか何とか最もらしいこと言いましたが、なかなか読んでいて心に残る作品でした。ありがとうございます。
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