深い光の風、空色の林で
古代の妙なる詩編をあなたは口ずさむ
あなたは水と光の娘
紺碧のいとし子
雨のあと、風と陽光から
あなたは立ち上がり
蒼穹に向かって手を伸ばす
ぼくは科の木の香りの下で寝そべり
喜びのかすかな痺れを聴いている
ゆるやかな鳥の飛翔が、待ち続けた
緑の平原を薄れてゆく霧の中に浮かび上がらせる
硝煙の臭いも恐怖も忘れられてゆく
あなたの歌声が緑と碧の交わりに向かい
そして、あなたとぼくの戯れが落ち葉に舞い始める
あなたの声は波紋となって広がってゆき
そこにあなたとぼくの心が留まるだろう
かつて無くした心を取り戻すように
ぼくたちが夢みていたものは人類を苦しめる
全てを倒すことだった
でも、今は過ぎた時は忘れよう
春の始まりを告げる風が吹く
夢みていたぼくたち
美しい翼をつけたあなたは踊る
かつてのあなたの髪の毛や顔を思い出し
ぼくは少年に帰り弦をつまびく音と声に時の戻りを感じ
あなたの煌めく瞳のなかで眠り始めた
作品データ
コメント数 : 3
P V 数 : 542.8
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作成日時 2023-10-01
コメント日時 2023-10-03
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 23時44分45秒現在
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ちょっと前に図書館に行けて、インドの詩選集を読んだけれど、何かそのタッチといいますか。 まあ感想ですので許して下さい。 なんだろう、以前はその抒情性というものが非常に曖昧な「印象」だったのが、微細な、具体的な描写として提出されてきているという点、変化しているように思います。 年代的なものか、非常にいいワンフレーズもあって好感を持ちました。
0ぼくたちの主体があいまい。
0私はインドの詩集は読んだことがないのですが、そこに少しでも近づくものがあったとしたら嬉しいことです。 この詩は「戦後の平和」を描いたものですが、その喜びを俯瞰的に伝えたいと考えました。 そのイメージは印象的(儚い)なものであってはならず、鮮やかかつ具体的なものであるべきだと思います。 それが、田中恭平 new様に伝わり、とても幸いに感じています。
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