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雨乞い集
草木眠りし時指揮とり天に乞い雨望む。進む雨乞い集は傘もささず祈りを捧ぐ荒くされど囁くように呟く雨乞いの祝詞。 草原に雨ざらし技ありのあやかしにまやかし。 窮屈、憂鬱、雨垂れが打つ。瞬く間に済む、濡れ落ち葉を踏む靴。 小袖に袈裟掛け、札は片手。雨音と共に錫杖を鳴らす。遊環は鈍色に輝く。 空は晴れ渡り、蒼き災いは作物を枯らし、彼らは雨を降らす術を学んだ。 太陽を恐れる者どもの狂気的な妙技。彼らは永遠に光に晒されない。 雨よ隠せ、生々しい忌まわしき傷口を 雨音よ消せ、飢え乾き苦しむ亡者の呻き声を 雨乞い集は未だ止まらぬ。呪いの言葉を全て洗い流すまで。 祓い給え 清め給え 千歳の雨降の主よ 晴天の災いに 雨雲の封印を
雨乞い集 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1266.8
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2023-09-23
コメント日時 2023-09-27
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
おはようございます。 また個人的なことを書くと、伊勢神宮に参拝したことがあるのですね。 折しも、雨がぱらついていて、うどんカレーを嗜みつつ、その店のトイレがね めちゃくちゃ広くて熱帯植物とかガンガン植えてあって今でも思い出す。 まあ、それはいいとしてですね、要はこの作品を読んで伊勢神宮の風景を 私は想起したのですね。滋味深いって言ってはは、これは的外れんなのですけれど その空気感。 それと、 呪いの言葉を全て洗い流すまで。 って何か 中島らもさんという作家さんのフレーズだと思ったんですね。 そうして、らもさんも詩を書いていたと それでまぁ、エンタメ作家なのでね、書店にあまり本が今ないのですね。 しかしともかく、中島らもさんの世界観に、それはタッチしている部分が あるのではないか、と言いたくて、それは厳密に書けば 人生のネタバレみたいになるから言わないけれども 中島らもさんにこの作者さまはふれてほしいなと思いました。 もう読んでいるよ!ならばいいのですけれども。 何か自分の世代で継承というものを考えたときに じぶんの持っている宝箱のの中から、これは、というものを、差しだしたい。 まあ、僕の欲っちゃ欲なのですけれど。 それにしても素晴らしい作品です!
0こんにちは。 格調高い文体で雨乞いを詠った詩ですね。 この詩の文体を見て、中島敦の「山月記」を思い出しました。 全体的に美しい文だと思うのですが、中でも 「小袖に袈裟掛け、札は片手。雨音と共に錫杖を鳴らす。遊環は鈍色に輝く。」 というところと、 「雨よ隠せ、生々しい忌まわしき傷口を 雨音よ消せ、飢え乾き苦しむ亡者の呻き声を」 というところが特に美しいと感じました。 ただ余談ですが、昨今は線状降水帯による集中豪雨の被害が頻繁に報道されていますので、「雨乞い」ならぬ「雨忌み」あるいは「雨止み」の祈りなんてものが求められるかもしれないななどと、つまらないことを考えました。 それはともかく、とても美しい詩です。
0中島らもさん読んでみます。 描写背景をイメージしながら読んでもらえて嬉しいです。元から描写力に不安があったので克服するためにこの詩を書いたのですが。うまくいったようです。
1いつもは言葉自体の美しさを意識していましたが、今回は文章としての美しさを意識してみました。 ちなみに僕は美しい文を書く人だと志賀直哉が好きです。 僕は雨が好きなので一年中毎日降っていて欲しいですね。
0草原に雨ざらし技ありのあやかしにまやかし ここが1番好きです! 僕の力量では正直理解し切れなかったのですが、詩の音楽的側面が存分に発揮された詩だと思いましたし、自分も一層意識して詩を書いていきたいと、そう思いました。
0ありがとうございます。 この詩は韻を踏むことを意識していたのですが、韻を踏むだけじゃ音楽的側面は出てこなくて、やはり言葉の描写力が必要なのだと学びました。
0想いが雨を降らせる。これは砂漠に雨を降らせる救世主の物語を思い起こした。しかしこの作品では雨を降らせるであろう者は「千歳の雨降の主」だし、詔を捧げる者たちは「太陽を恐れる者ども」だ。 >雨よ隠せ、生々しい忌まわしき傷口を >雨音よ消せ、飢え乾き苦しむ亡者の呻き声を >雨乞い集は未だ止まらぬ。呪いの言葉を全て洗い流すまで。 ここがサビなのでしょうか? 正直、雨も大切だけど、太陽はもっと大切なわけで。 ここであつかう雨乞いは、実際の雨乞いとはまた違う儀式のように感じられる。フツー「祓い給え 清め給え」は神道の祝詞だが、この呪術師たちは仮面の忍者赤影に登場する金目教のような、どこか得体の知れない怪しげな集団に思えた。
0詩の中で扱う言葉に、その言葉以上の意味を持たせる。雨乞いというワードは、私にとって色んなメタファーを含めたものです。 貴方の言う通り、この呪術師たちも、決して雨の恵みを得るために雨乞いをしているわけではありません。 彼らの真の目的は、私でも理解できないです。
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