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みんなアイスを食べて指を汚そう
まず、話者は、アイスを食べながらその、甘味に舌を喜ばせつつ、考えは、視点はとおく、環境問題や、性に合った生活を送るべきであると、非常に個人ではどうにもならないことについて考えている。 アイスを食べるその個人的な喜びと、個人ではどうにもならないことを思索する、ここでアイスは何か、騙されて与えられている甘味のように思えてならない。 二連目。どこかで「間違ってしまった」のは、包括的な人類の在り方かも知れないけれども流石に深読みのし過ぎかもしれない。そのアイス、コーヒーの扱われ方に於いて、ごく個人的なことと、そうではないことが二項対立として駆け引きしているといった・・・。 その後、深くこの詩を読みこんでゆくと、その散文として、それは「散文詩」でなければならない、といった作者の気負いが見えてくる。 すると、初連で見られたような、個人対人類といった、二項対立概念も、じっさいは散文詩でなければならない、といった気負いの範疇から記述されたもので、一貫したモチィーフはなく、すべては作者の個人的な追体験の記述なのか、はたまた感性=センスの発露でしかなかったのかも知れない、といった疑いのもとにちゅうぶらりんになってしまう。 しかし、そこが気に入った。だって私は目が高いのか、センスの発露、それがクールに展開されたものが大好きであるから。 >僕はよく祖父の前で、重たすぎる双眼鏡を覗いて、見えない予言者を探した。 こういったハイセンスの、センテンスの導入が、ただ単なる散文から散文詩へと引き上げる。 細かなブーストだ。 徐々にそれが、フィクションなのか、ノンフィクションなのか多分混在する中で、それが幼少期のノスタルジーを念頭に記述されていると思える、しかし、同時、それはある5月9日からきっかり丸1年経った5月9日へと飛躍する。ある5月9日が一体何歳頃の5月9日なのかはわかりかねる。それは >エレベーターのみたい時間が上下したらしい。 から。 「彼ら」は何を指すのか?一連目に戻って人類か?家族か? ともかく「彼ら」は「そこ」にいない。そうして月日を経て、黒く汚れてしまった心象風景を抱いた僕だけが立っている。そして「みんな」そうあるべきときがやってくると説かれる。 その、散文詩として単なる散文から引きあげる、という意味でこの作品は、ハイセンスを提示するために、非常に「閉じた」作品であることは否めないが、同時に、反対に初連の包括的人類についての思索、そうして最後「みんな」の語を用いることで、同時「開かれている」という、稀有なことが記述されているのではないか、そして成功している。 最後に蛇足なのだけれど、作者は他に「チョコレート」という作品も投稿しているがそれが甘味であるとして、舌の優れている方はなぜかセンスが良い、ということを付記しておく。
みんなアイスを食べて指を汚そう ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 989.3
お気に入り数: 2
投票数 : 2
作成日時 2023-09-21
コメント日時 2023-09-24
オー!!格好良いタイトルだと思ったら僕の作品に批評して下さっていてありがとうございます。うなずきながら、面白く拝見させて頂きました。こういった行為を頂くというのはやはり嬉しいですね。批評に関わらず、本サイトはコメントを頂く確率が高いと思います。それは自分の糧となりますし、客観的な視点として今後の詩作に生かすこともできます。コメントを頂けるサイトって割と重要だと思いますよ。個人的にコメントを書きたい作品もありますが、9月は自主停学をしようと思っていて、10月に入ったら登校もしていきたいと思います。取り急ぎですが、ありがとうございました。
2すいません。この度、推薦文書かせていただきました。 正直、読解?に自信はありませんし、もっとアピールできる点を探れば良かったと 反省しております。 まあ、何事も経験ですね。ありがとうございます。10月からまたお願い致します。
1うん。室町さまのスタンスもよく分かります。 そうして、田中のボロボロノートパソコン検索によるとPolar bear っていう アイスクリームがあるみたいなんですよ、と。要は商品名みたいで。 流通は、沖縄が中心みたいなのだけれど、まあ書いていいのか?まあ調べれば分かることなので。
1こんにちは。 そうですね、私もそれが惚れたならば、コメントで汚したくないですし、驚嘆した作品ならば おどろいてしまって、語りようがなくてそれもコメントは、本来はつけられないですね。 ですから非常に、熱く語り過ぎたり、頭が消耗して、ヘンテコなコメントをしてしまう といった愚かなことをくりかえしつつ、トライしています。 ふむ、そのコーヒーが環境負荷の高い製品なのはわかりましたが、アイスクリームもそうである ことは無学でした。「遠くを見なさい」に対する言及やで、そのコメントは、ほぼ作品を網羅して うたいあげておられると思います!! 素晴らしいです! 運営の一人としましても、早計な判断ではあるので冷静にならなければいけないのですが パズルのピースがパチッとはまったようで、やはり推薦して良かったと思えます。 ありがとうございます!!
2あっ、凄い。そういう社会的構造まで炙りだす手腕が素晴らしい。 文中 >ここでアイスは何か、騙されて与えられている甘味のように思えてならない。 ここ、ほぼ、まあ僕はしょぼいんですけれど、詩人としての直感で処理して 書いているんですよね。 そういう視点で読まれると、じっさい、なんでしょう、この作品は非常に 「開かれている」のでしょうね。実際。 読みこぼしばかりで、勉強になります! といいますか、推薦文が不発したら作者様に迷惑がかかるので(笑) コメント以上に、気にしいになってしまいますが 個人的には、「ー」様との対話を通じて、ほぼ満額回答?じゃないですけれど そういったものは得られたと思っております。 ありがとうございます!
2ーさんが書かれていらっしゃる事に加えてフェアトレードの闇的な部分もこの作品は抱えようとしているのだけれど、それはあくまでも問題提起であって、そこから始まる「物語を物語る」機能性の否定とある種の音楽性が噛み合って、この作品は僕にとってもとても素晴らしい読書体験をもたらしてくれました。 ほんと好きな作品に感想をつけるのは告白するのと一緒ですね。どきどきしてしまう。田中さん、これ書いてくださって、ありがとうございます
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