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ムンクの星月夜
応答セヨ 応答セヨ さみしさがどうにもならないとき、口のなかで爆発する薄荷飴を数えて、 ひとつの動作から、もうひとつの動作へと移ろう、おれは孤立者 いままであったことのぜんぶ、経験のぜんぶを蔑すだけで、 たった1日から1週間までが消滅する、おれは孤立者 いままであったうらぎり、じぶんでじぶんを 追い放してしまったことをずっと悔やみつづけるだけの日がつづく、 そして恐怖ともにだけ、なにかを信じようとして、 それが見つからないことにいらだつゆうぐれ ぜんぶ無意味なのかも知れない 過去をつれあいにして、 場面から場面へブロウアップをつづけるおれ 深夜の摩耶埠頭から、この新神戸まで、 走りつづける大型トラックにはどうやら、 おれの妄念を消し飛ばしてくれる短い叙情詩を書くための、 鉛筆すらもないということが、 さいきんの農家学と、 占星術師との交わりのなかで、 判明したらしく、 北斎のポルノよりムンクの星月夜の好きなおれは秋霖のない銀河で、 ジャニスの"Move Over"を踊りながら、きみときみの友人たちについて、 どうしても考えてしまう悪癖を片づけようとして、 抽斗しにある死を磨きつづけます。
ムンクの星月夜 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1195.3
お気に入り数: 0
投票数 : 5
ポイント数 : 0
作成日時 2023-09-18
コメント日時 2023-09-20
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
私も、ダリのアルジャントゥイユで泣く女がとても好みです。
1こんばんは。 その、星月夜、ムンク作は、好きですね。 しかし、その不安を描きつづけて、最後に慰安として描かれたのが「星月夜」だとして それは朝日などに自己の希望を見いだすとは反対で、しかし出来過ぎているのかも知れません。 しかしえてして、それがしんじつなのだからそう受けとるしかないといえますね。 ぜんぶ無意味なのかも知れない 過去をつれあいにして、 場面から場面へブロウアップをつづけるおれ その半ば、演劇的要素も挿入されつつ実際そうなのだから仕方が無い。 どうしても考えてしまう悪癖を片づけようとして、 抽斗しにある死を磨きつづけます。 その、覚悟が違いますね。それは磨く、のだからやはりナイフなのだろうと思うのですよ。 最後の磨きつづけます、で沸点がまたわっと上がる。 しかし、その星月夜、というのはタッチとして非常にメロランコリーとハイの ちょうど良い配合を得てして、ああ、ああなったちゃった作だと思うんですけれど この作中主体は非常に文体の観点からみてスピードがあり、アクティブだと言えます。 だからやっぱり、あくがれ、あこがれとしてのモチィーフとして それについて語っておきたいという考えが逡巡したのではないでしょうか。
1さいきん読書が捗らない。外的刺激が乏しいなかでひりだしたものがこれです。「だめな詩人がだめなのは詩人の書いたものしか読まぬからだ」とシオランは書いているが最近のわたしがそうで。前作『ぼくらが幽霊になるまえ』や『友だち』のようにはなってくれませんでした。もうちょっと外部の世界に接続してみようとおもいます。
2昔はもっと情景があったはずだのに、最近は観念的過ぎてしまい、じぶんでも納得はしてません。べつのジャンルに眼をむけるなり、ちがうことをやらないと頭打ちですね。『帆』聴いてくださってありがとうございます。
1こんにちは。 ムンクも「星月夜」という絵を描いていたあは知りませんでした。不勉強でした。 個人的には「叫び」よりもこちらの絵の方に美しさを感じます。 ムンクは幻覚や幻聴に悩まされていたと聞いていますが、この詩は作者の内にある孤独や後悔や恐怖を、その絵に託しているのですね。 冒頭の 「応答セヨ 応答セヨ」 がとても印象的でした。 このような表現方法もあるのかと、勉強になります。 また、 「いままであったことのぜんぶ、経験のぜんぶを蔑すだけで、 たった1日から1週間までが消滅する、おれは孤立者」 というところも、孤独の深さを巧みに表していると感じました。 そして、 「おれの妄念を消し飛ばしてくれる短い叙情詩を書くための、 鉛筆すらもないということが、」 というところに深い絶望が描かれているようなのですが、末尾の 「抽斗しにある死を磨きつづけます。」 の1行を読むと、その絶望の中に何らかの美しさを見出しているようにも感じます。 己の内面を巧みに描き出している秀逸な作品だと思います。
1改稿の試み) さみしさがどうにもならないとき、口のなかで爆発する薄荷飴を数えて、 ひとつの動作から、もうひとつの動作へと移ろう、おれは孤立者 いままであったことのぜんぶ、経験のぜんぶを蔑すだけで、 たった1日から1週間までが消滅する、おれは孤立者 いままであった裏切り、じぶんでじぶんを 追放してしまったことを悔やみつづけるだけのときがつづく そして恐怖ともにのみ、なにかを信じようとして、 それが見つからないことに苛立つゆうぐれ ぜんぶが無意味なのかも知れない 過去をつれあいにして、 場面から場面へブロウアップをつづけるおれ 深夜の摩耶埠頭から、この新神戸まで、 走りつづける大型トラックにはどうやら、 おれの妄念を消し飛ばしてくれる短い叙情詩を書くための、 鉛筆すらもないということが、 ちかごろの農家学と、 占星術師との交わりのなかで、 判明したらしく、 ダリのポルノよりもムンクの星月夜が好きなおれは秋霖のない銀河で、 ジャニスの"Move Over"を踊りながら、あの娘とかの女の友人たちについて、 どうしても考えてしまう悪癖を片づけようとして、 抽斗の銃を磨きつづける。
0少しばかり手を加えてみたのですが、やはりぎこちない作品におもえます。褒めてくださるひとには申し訳ない気持ちです。なんだか瞞しているようで。これは呻きであって歌ではない。
0経験の全部をなみすけれども、本当の気持ちは自分を愛している気持ちが充溢しています。 だから頑張れって言いたくなります。 妄念を消し飛ばしてくれる抒情詩というところはポイントとして読めると。 そんな重要なものなら、よっぽど愛しているんだろうなって。 要するに、自分の悪いところも詩も大好きだと。 そういう表現かなと受け取りました。 世界と詩とあの娘、愛するものはたくさんある。 あとは、愛されればいい。
1「北斎のポルノよりムンクの星月夜の好きなおれは秋霖のない銀河で、」 ここがいいですね。単なる好みの表明とも違う、詩の中での位置づけ、内容的な連なりを考えた上での一行だと思いました。
0じぶんの置かれた状況や、じぶんの嗜癖、じぶんの過去はきらいだけれども、いまの作品はなんのかんのいっても好きですよ。ただ昔よりも書くのはむつかしくなった。10個、書けたとしてそこに1個好いのがあるかないかで。もっとほかの分野に触れないとだめだ。生きているうちに愛されようとするのはたぶんまちがいの入り口のようなものなのだろうと諦観しております。
1実際、そんなに考えてつくった詩ではないですね。ただまあ、来年、歌集をまとめたら文藝は歌誌『帆』だけに絞って絵でも描きたいとおもってます。
0北斎のポルノとムンクの星月夜と言う比較は興味深いと思いました。普通星月夜と言うとゴッホを思い出すと思うからです。ムンクの星月夜を見ればこの詩が分かるような気がしました。
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