母ちゃんの作る
貧乏な焼きそばが好きだった
ソース色の麺にまぶした
深緑のアオサと、
麺にちょこっとだけ乗った
紅い千切りの生姜も
それはそれは綺麗だった
豚肉じゃなく、
海老でも、
烏賊でもなくて、
竹輪の輪切りともやしの
真っ黒なフライパンで作った
熱々の焼きそばだった
それと指でちぎったキャベツが
油にまみれてウスターソースを弾いていた
さらに鰹節をふりかけ、
マヨネーズは細く網目状に描いて
それらをぜんぶ、
ぐちゃぐちゃにまぜてから喰らうんだ
きっと冷めたら不味いから
誰かに食べられちゃうと困るから
その熱々をあわててかきこんだ
いっきに食べ終えたらゲップして
ああ、
コップ一杯の水が
どんなに美味かったことか
作品データ
コメント数 : 22
P V 数 : 1875.6
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-09-13
コメント日時 2023-09-27
#現代詩
#ビーレビ杯不参加
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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閲覧指数:1875.6
2024/11/21 19時52分47秒現在
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こういうのでいいんだよ、こういうので。って、思わずこういうのでいいんだよおじさんになりました。 竹輪の焼きそば美味しそうですね。飯テロだ!
0>こういうのでいいんだよ、こういうので ソースね! やっぱ、こういうのでいいんだよ、こういうので! なんか「河原のあべ」の店主みたいだべ、、
0わっかる。こういうのでいいんだよー! こういった事実を「詩」として書こうと思ったその瞬間にこそ「詩」があって。 書かれたものは残滓に過ぎない、なんて過激な事言った詩人もかつていました。 >ああ、 の使い方にリアリティがあるのは、それまで淡々と思い出すように書かれてきた「焼きそば」の生き生きとした描写でしょう。書き連ねること、ひいては発話する事によって引き出されてくる言語的なフェティズムがうんぬんかんぬん。 そんな事はどうでもいい。 おなか、すきました
0実家に帰って、母ちゃんの焼きそば食べたくなりました…
0冷めたら不味くなりそうなんですよね。あとなぜかゲップでるなぁ。素晴らしい。
0コメントをありがとうございます。 ボクは詩というものがあまりよくわからない者ですが、食欲だけはあります。 頭の中のほとんどが食べ物についてのことです。 ここだけの話ですが、ボクの場合、焼きそばにはホアジャオをたくさん使います。 シビレ辛い、 DUNE に出て来るスパイス「メランジ」を想いながら喰います。
0コメントをありがとうございます。 母ちゃんの焼きそば、世界一、いや宇宙一です。
0コメントをありがとうございます。 >冷めたら不味くなりそうなんですよね。あとなぜかゲップでるなぁ。素晴らしい。 ゆっくり食べるのがベストなんですが、かきこんで食べるのもこれまたナゼカ美味しいですよね。
0おいしそう。
0こういう率直なリアリズムは存在するだけで一定の価値を放ちますね。それが最高級品ではなくてもいいのです。人一人の心の尊厳です。カップラーメンを昨日食べましたけど、そこにも抒情は宿ります。
0歴史的現在なのだと思います。過去を回想している体裁をとっていますが、現在に蘇る母の焼きそば。コップ一杯の水がこの詩を潤していると思いました。
1やきそば、大好きですが、先斗町のすしてつも大大大好きです )))
0コップ一杯の水、「水美味!」。
0コメントをありがとうございます。 >こういう率直なリアリズムは存在するだけで一定の価値を放ちますね。それが最高級品ではなくてもいいのです。人一人の心の尊厳です。カップラーメンを昨日食べましたけど、そこにも抒情は宿ります。 はい。ココロはお金で動くもんじゃないと思います。カップヌードルも馬鹿には出来ません。マイナーですが、「金ちゃんヌードル」のファンです。
1コメントをありがとうございます。 >歴史的現在なのだと思います。過去を回想している体裁をとっていますが、現在に蘇る母の焼きそば。コップ一杯の水がこの詩を潤していると思いました。 はい。美味しい食事の後のコップ一杯の水はとても美味しいです!
0久方ぶりに焼きそば、食べたくなりました!(笑)お母さまの作られる焼きそば、貧相と謙遜されていますが、健康のためめっきり味気ないものばかり食べている僕からすれば豪華に映りました―"ソース色の麺"、"深緑のアオサ"、"油にまみれてウスターソースを弾いていた"、"マヨネーズは細く網目状に描いて"… コップ一杯の水が どんなに美味かったことか このラストもいいですね。考えてみれば、焼きそばほど水が合う料理って、あとはカレーくらいじゃないかな。焼きそばと水はカップルのように相性が良い…意識すらしていなかったことを思い出させていただきました。
0コメントをありがとうございます。 大阪では焼きそば定食やお好み焼き定食というのが普通にあって、焼きそばやお好み焼きをオカズにしてご飯を食べます。でもまあこれは東京でも松本零士の漫画「男おいどん」のようにラーメンライスを食べる人がいるのだから、なんとなく理解していただけるかとは思います。これはしかし実際に食べてみるとわかるでしょうが、かなりアリなのです。とくにソースの味がご飯を呼び込みます。キャベツやその他の具材はともかく、ソースがご飯へ「君もこっちゃ来いや」と呼びかけるのです。そしてお味噌汁が焼きそばとご飯のあいだをとりもって「みんなで仲良くやろうや」とさらに追い討ちをかけます。これってもう、魔性の定食です。これを覚えたら、ハンバーグ定食もエビフライ定食も空腹時には頭の中で像が霞みます。「焼きそば定食や! ワイにはやっぱ焼きそば定食しかないんや!」寂しいとき、苦しいとき、大阪人は居ても立ってもおられずに鉄板テーブルの置いてる店へと走ります。そんな焼きそばが、ボクの心の支えです。そしてたった今も無我夢中で食べている焼きそばに、母ちゃんが作ってくれたビンボーな焼きそばがオーバーラップして、「ハンバーグも、エビフライも、むかしオカンの作った焼きそばにくらべたら、食後にコーヒー紅茶つけてもろうても勝たらしまへん、エエ格好しいのただのランチやがな」眼に涙を溜めて、そう呟く次第です。「水や、水。けっきょく最後には水なんや。ナチュラルウォーターとかビールとかとちゃいまっせ、冷蔵庫で冷やしただけの、ただの水道水や。あの水がホンマに美味かったんや!」ホンマにホンマ、その通りでした。そしてこのことを知っているボクとあなたは、きっと誰よりも幸せです。
2すみません!私の場合はチャーハンだった。。 なんだろう、こういう作品ってたくさんあるような気もするから良いのか悪いのかちょっと悩んだのですが、チャーハンでお前書いてみろよ、と言われたら書けないなぁと思いました…… なんていうんだろう、幸せになりてえ…… ありがとうございます
0草と魚の匂いのする 傲慢なことばに、 茹でたブロッコリーと エディブルフラワーを添えた ソースは煮詰めたバルサミコ酢 桜えびと蓮根チップスも散らして、、 皿はロイヤルコペンハーゲンのブルーフルーテッド まあ、珍しくもない絵柄のプレートだ ――料理する前、 ことばの頭には薄紅色の恥じらいがあった わたしはたわしでそれを洗い落とす たわしもわたしでそれを洗い落とす 冷たい井戸の水を張った 小さな杉桶の中に、 薄紅色の恥じらいが煌めくように落ちてゆく そう、薄紅は汚れではなく、 心からの恥じらいだった ことばの頭は、そういう顔をしていた 水色の硬い鱗で包まれたことばの身を捌く 鱗は、 油で揚げると鮮やかな紫に変色し、 食材としても使えるので捨てたりはしない 銀色の皮も、 テリーヌやスープの具材で使うと良い そして骨だが、 これはしなやかで強靭だ 殆どの場合、 料理人はこの骨だけは捨ててしまうのだが 庭に穴を掘って埋めてやると 翌年のその時分、 草と魚の匂いのすることばが、 ふ た た び 生 え て、 恥じらいの顔をちらっと見せるや 勢い、 池にザブンと飛び込んで泳ぎはじめる
0いすきさんへ ここの掲示板で「よくみる」「似たような作品はたくさんある」「この型がー」みたいな言説をよく見かける(僕もたまに使うw)んだけど、きっと大切なのはその類似性を含めた、このビーレビという「場」に、作者がそれを書かざるを得なかった「情動」だと思うのよね。(ココにおける「みる-みられる」の関係性を含めた、ね) 類似性の話をしてたら、なかなか評価って難しいと思う。 もちろん、いすきさんは本作から自らチャーハンをモチーフに書こうと試されているので、その誠実さに関しては間違いないと思うのだけれど、「たくさんあるから云々」という考え方は場合によっては思考を狭めてしまうことにもなりかねないかなーって思ったりしました でしゃばって余計なことを言いました。ごめんなさいね
0片々さん、筆者の方、すみません! ありがとうございます。つまらないコメントを書いてしまい、恐縮です。。 たしかに仰るとおりです。書いて、投稿するというのは、書いて、投稿しないこととは全く別のことだし、書かないこととも別のことだし、当然、読んだり、話したりすることとも別のことでした。そういう背景を想像せず、乱暴なことを言ってしまいました。ご連絡いただき、ありがとうございます。 返詩いただいてすみません、、私も、いつか再び生えたい。なんというか本当にお世話になります。
0アルマイトの弁当箱には 頭の焼け焦げたメザシが 白い飯の上に載っていた 梅干しが隅に添えてある 崩れた厚焼き卵もあった 新聞紙に包まれた弁当は 開ける前から魚臭かった あまりにも見栄えが悪く 新聞で隠しながら食べた 田舎者が恥ずかしかった その弁当を再び食べたい 今度は新聞紙で隠さずに 澄ました顔で味わいたい
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