夜空に金平糖、きらきらお星さま
シャボン玉の香水、幼心を揺り籠にして街を歩く
木漏れ日が歌えば、安らかな眼差しをふたつ夢想して
リンゴの皮を剥くの、あなたのため
愛を信じる心は羽ばたこうとする
もがいていてもつむじ風になれるし
石のように静寂を抱いてみるのもいい
小川がサラサラ、足を浸して
流れていく水面に影が揺れる
私の横顔を太陽としたり、月としたり、木の葉としたりしよう
甘い風を着て、予感と震える胸、花輪を捧げる心
漣になってあなたに何度も打ち寄せよう
世界よ
猫のおもちゃが床に転がっていて美しい
ソーダ水が泡を切らす前にあなたに届きたい
かわいいね、美しいね、泣いたね
口惜しかったね、辛かったね
そんな言葉の代わりに象嵌する私は細工師
言の葉の雨を降らす巫女
泣いているの
ポロポロと涙溢してすっきりしよう
瞼をあげた君のために
この世界から美しいものを集めてあげたい
そんなガラスのおはじきをほおり投げて遊ぶ夏の終わりよ
幸せを追う狩人が蒼い弓を引く
あなたがその力を失わないように
花びらが海辺に雨となる、誘い、潮騒と耳への蜜よ
感傷的な夢を見た
真っ暗だったから
私はあなたを探したのよ
作品データ
コメント数 : 9
P V 数 : 664.4
お気に入り数: 3
投票数 : 4
ポイント数 : 0
作成日時 2023-09-09
コメント日時 2023-09-10
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
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閲覧指数:664.4
2024/11/21 20時00分36秒現在
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巫女の歌のような美しい詩だと思います。 女性の恋と思いが全体にいきわたっていると思います。 言葉が、美しく鮮やかではっきりしている。 しかし、湖湖さんの詩歴はよく知りませんが、どんどんうまくなっていきますね。
0おはようございます。 その、使用されている単語の多さに目が行きますね。 そうして、その使用されている単語を逐一、追っている間にドラマは終わって。 その、ある特定の単語からイメージを引き出してゆく、僕はそうなので あまりこういったまあ幅のある世界は、現出できない。 その良さ、たぶん、いいことなのでしょうけれど、反対その悪さみたいな 天秤にかけて作品に向かってしまう。 いろいろ学ぶことがありました。ありがとうございました。
0こんにちは。 とても繊細な美しさを纏った詩ですね。 言葉に込めた想いのようなものを感じさせます。 「幼心を揺り籠にして街を歩く」 「私の横顔を太陽としたり、月としたり、木の葉としたりしよう 甘い風を着て、予感と震える胸、花輪を捧げる心」 これらのところに、詩を書く者の心の姿勢を感じます。私も見習いたいです。 「そんな言葉の代わりに象嵌する私は細工師 言の葉の雨を降らす巫女」 これらの比喩表現はとても巧みですね。特に言葉を置いてゆくことを象嵌に喩えているのは非常に美しいと思います。 そして 「花びらが海辺に雨となる、誘い、潮騒と耳への蜜よ」 というところも、いい意味で感傷的で美しいと感じました。 全体的に表現の繊細さと巧みさを魅せる、いい作品だと思います。
0こんにちは。 まるで、どこか外国の詩を読んでいるように言葉が紡ぎ出されていて素敵だなと思いました。 綺麗な単語が多くてそれが波のように続いていて、めくるめく優美な世界観が素晴らしく、その心地良さにくらくらしました。
0おはようございます。 詩を12年前に本格的に初めて、ほぼ、毎日に近く詩を書いてきたんですが、詩を書くことが巫女のように感じたので、それを作品に取り入れて、美しいもののイメージの奔流を描きました。 お褒め下さり嬉しいです。
0言葉の美を追うことを主眼として書いてみた実験的な詩で、バラバラに見えてしまうかが懸案ではあったのですが、書いて見ました。言葉の象嵌に宝石細工のように気を払って、意味的脈絡にはあまり注意を払っていないことがネックになっていないといいのですが。 ありがとうございました。
1美しいものを結晶化させる試みとして喩えをフル活用してみたんです。成功していると窺えてうれしくて小躍りします。美しいものに心を添わせていれば幸せになります。薬のように、慰めのように、私にも、読み手にも。 ありがとうございました。
0すごく素敵な感想を下さって嬉しいです。人を酔わせる魔術師に詩人はなれる、そう思います。美しいことに寄り添っていく心が芯のように自分を強くするといいですね。 ありがとうございました。
1「漣になってあなたに何度も打ち寄せよう」 こんなところを読むと輪廻転生かと思ってしまいます。細工師であると言う私。象嵌する行為。夏の終わりに感傷に浸るのではなくて、積極的に構成する意思を感じた詩でした。
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