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我々の睡眠は
我々の睡眠は、常に全自動的に蠕動している あらゆる長虫、ミルワームを啜りつ 我々の睡眠は、常に全自動的に死に満ちている 生存への希求、死への欲求 争い難く相反し、抗い難く結合し 我々は等しく絶滅していく 悲しみと、喘ぎと、そして死滅するミルワームと 我々の哀しい睡眠は、いつも死へと結合し その睡眠の悲しみはいつも我々の耳の奥に沈む 我々は長虫の裔であり、霊長を嘯き 我々は欺きと全自動的な睡眠に溺れている 歯車が眠れば都市は壊滅する 電気の流動が我々の外注された血液である 我々の都市部の心臓が土くれを知らず 土塊を抱くものはまた血液を外注出来ない 故に我々に内在するミルワームと 我々の吐く土くれの胎に宿る蠕虫の群れと 団子のように群れる睡眠の衝動と 欲望は常に争い難く我々の耳の奥に蠕動し 我々の欲望は鼓膜の奥に侵入し 我々の欲望は舌に内側から絡みつき 我々はとっくに全自動的であり 我々は生殖の官能をミルワームに外注している 都市の胎内で我々は育まれることなく 都市の吐く羊水の中に打ち捨てられた我々は 耳朶に蠕動する外注された血液を流し 我々は睡眠の全自動的なミルワームであって 我々は霊長の悲しみのうちより這い出て 我々は亜鉛のメッキを施した長虫の裔であり 猿は即ち下腹部に接続された電極の 我々の悲しむことの見せる重複した電影であって 我々は長らく睡眠の全自動的な その足の先に蠕動する交感神経の停滞であって 即ち我々の副交感神経は全て ミルワーム、長虫、我々の悲しみの全ては 即ち全自動的なミルワームであって 我々の耳朶に侵入し蠕動して鼓膜に至る長虫の 壊滅する歯車の引き潰すミルワームで 都市の構造的欠陥としての外注された血液は 即ち電圧に身悶えする猿の痙攣であって 猿の下腹部に接続された無数の電極であって 電極とは即ち外注された衝動であって その長虫の鼓膜に至ることの全自動的であって 全自動的なミルワームの胎であって 我々の血流は全てミルワームの蠕動であって ミルワームの細長い悲しみであって ミルワームの全自動的なミルワームであって ミルワームの胎はミルワームであって ミルワームである長虫はミルワームであって ミルワームの群れたミルワームであって ミルワームの団子状になったミルワームであって ミルワームのミルワームであって ミルワームの構造的ミル欠陥ワームのであって ミルワームであって ミルワームの全自動的であって ミルワームであって ミルワームのミルワームであって 全自動的霊長の ミルワームであって ミルワームで ミルワームの集積としての ミルワームであって ミルワームであって ミルワームであって ミルワームであって ミルワームであって 白く蠕動する長虫の裔としての我々は即ち血流と脳髄を外注し猿の下腹部に寄生するミルワームの内的構造を解析することで都市の歯車は回っているが我々はそもそもミルワームの集積であってミルワームの下腹部に接続された電極はミルワームであって霊長の脳髄の歯車が停止すれば壊滅する我々のミルワームであって吐き気、嘔吐感、しかして官能のミルワームであって耳の奥に沈む生物学的病理学的解剖器具として保湿された肋骨、尾骶骨(しかも鈍痛を有する)、大腿骨の曲線に基づく我々のすべての産毛の表面に付着する性的な水分の排除方法と都市における感電事故防止法例の関連性を知悉するミルワームは眼球の痙攣や鼓膜の奥の抗い難く生存へと欲求する方向性としての形質を有する長虫であって即ち我々は長虫の裔としてのミルワームであってミルワームによって我々の外注された羊水の皮膜の中で打ち捨てられた胎児であってその耳朶に至るべき蠕動の集積として電流を土塊に加えて加熱し加圧して死に絶えた長虫の集合墓地としての都市の中で睡眠する我々の抗いがたい全自動的睡眠するミルワームの集積であるところの脳髄であって── ミルワームで、あって 悲しみも 思考回路の電流も ミルワームで、あって それは、とても悲しいような気がして 我々は、意識を手放そうとするけれど 我々のつま先にはミルワームであって であって、 我々が、我々であるために ミルワームの集積であって 我々は 都市は 血流は 心臓は 土塊は 官能は 生殖は 知性は 唯美は 想像は 言葉は 鼓膜は 文脈は 胸骨は 解剖は 祈りは 外注は 構造は 自己は 蠕動は 蠕動、は 散逸する、散逸、した、散、逸、し終えて して、しても、された、するべき、すれば そして睡眠は、全自動的なミルワームであった。
我々の睡眠は ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1190.6
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 0
作成日時 2023-09-03
コメント日時 2023-10-18
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
反復する言葉たちが、まるで呼応するかのように繰り返される。 繰り返し繰り返され、そのうちに思考は鈍麻していき眠ってしまうのでしょうか。 何か生物の生死のことなどを考えました。
0我々、を語るとき、それが一つのコミュニティなのか、はたまた全類全体なのか 仮定しなきゃいけないといったときに、ミルワームといった、確か害虫たちだったと 思うけれど、それを提示したあのではあれば、これは人類全体のことを言っていると思いました。 それ自体、凄いことじゃないか?と思いつつ、脱帽しました。
0ミルワームが遺伝子だったらどうしよう。。。 この作品橙色さんのやつで一番好きかもしれない。生存の希求というのは橙色さんらしからぬと思えるようなところがあるんだけど、なんかもうボリュームが圧倒的でどうでも良いと思えてくる。ミルワームのうねうねはジーンを意味しており、この作品の全体で見るとミームが込められてるように感じた。。
0あまり意味とかは分からないのですが(すぐ忘れてしまうもので)、 体験としてとても良い詩を読めました。ミルワームになって、我々とミルワームが比較されて、 睡眠するときミルワームになるんだな、という風に思いました。 視覚的にはあまり読めないし、音で魅了する風でもないと思うのですが、圧倒的な量と形式の 語の語りによって、スタイルによって、意味によって、存在を主張して語り掛けてきたなと 思いました。
0ミルワームについては、これはトカゲとかの餌とかだと思うのですが、視覚的なイメージは覚えるものの、口や鼻、耳の中で蠢く様や匂い、舌触り、味覚、歯応えがあるとさらに面白かったかも、、と個人的にはかなり勝手な受け取り方をしてしまいましたが、それでもこの作品は読ませることばの綴りというよりも、視覚的な詩としての意図、形と内容の関係が少なからずあるようにも感じました。
0眠っている時、私たちは一応生きているんですが、夢を見ていなければ意識的には死んでいるのに近いと思うんです。何も考えないし、時間の感覚もないし。でも体は機械的に、鼓動を刻んでいるし、呼吸だってしている。そう思うと、なんだか気持ち悪いような、面白いような気がします。
0我々、と私がいう時、果たして私はどこまでをイメージできているのか、どこまでを含めているのか、というのは結構その時々によって変わるもので、ただ、我々を人類全体と仮定した時、ミルワームがウゾウゾしているのも人類がうじゃうじゃいるのも同様に尊くて、同様に気色悪いとは思います。
1仕掛け、うーむ……難しいですよね……うーむ……
0やったぁ!あまり自分らしさとかはピンとこないんですが、ボリュームを感じてもらえたならうれしいです。ちょっと文字と文字の間が詰まりすぎてるかな……と不安があったので、好意的に取ってもらえてよかった。
0ひたすらミルワームを押し出していく感じの中身なので、圧倒的にと感じてもらえたなら嬉しいことです。私たちの中にミルワームはいるし、私たちの外にミルワームはいるし、私たちはミルワームです。
1視覚的なイメージに終始してしまっているのは確かにあるのかもしれないですね…書くときは匂いと感触くらいまではイメージしていたんですが舌触りや歯応えとなると意識してなかったかもです。
0ひと息全力で書き切ってから、弱いところを直して、というのを繰り返したので終始衰えることがない、という評価は嬉しいです。
0橙色さん、こんにちは。 私たちがミルワームである、ということは、嘘なんじゃないですか。 ありがとうございます。
0確かに嘘かもしれないです。手癖で適当なことを書く癖があるので。
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