友だち - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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友だち    

 洗いざらしの世界のなかで、リーバイ・パタの詩画集をひらく  女のいない男してやれるのはたったそれだけのこと  コインランドリーが不法占拠されてしまう夢を  ついさっきまで見ていたんだよ  もしきみが電話をかけてくるならば、  ほんの少し孤独を信じられる  ほんの少し痴性を信じられる  おれに与えられたものに唾を嘔いて  おれに与えられなかったものに焦がれて  ついさっき犬の便器に花をちらした  やがてその花が城にまで成長するまに  どれだけの戦があり、歴史が書き換えられるかをきみと一緒に眺めたい  もしもおれがまだきみの友人で、きみにとってなにかであるのなら    午後の時計がベルを鳴らす  きみの知らない場所で、きみが知らないひとと会う  ばかげた冗談をいくつもいって、死そのものを笑いものにしてやった  きみのいう自殺について発言なんて死の実証よりもたやすいものだ  きみがすべきはきみの窓から友人を呼び集めること  きみがきみであるという論証を獲ることがなによりもさきだね  おれはじぶんの死について大した考えはもってないけど  いえるのは迷惑、──そして生きるよりももっと不可能な満足さだ  洗いざらしのウェスタン・シャツを着て、リーバイ・パタの詩画集をひらく  かれの語る声が聞えるよ。    月のおかげで    僕の中の壊れた破片が見えて    つなぎ合わせるよりも    そっとしておいていいよと。    ここは僕が洗われる    裸の世界。    ともだちに囲まれた    孤独の場所。(「ともだち」より)


友だち ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 7
P V 数 : 653.4
お気に入り数: 0
投票数   : 5
ポイント数 : 0

作成日時 2023-08-10
コメント日時 2023-08-10
#現代詩
項目全期間(2025/04/12現在)投稿後10日間
叙情性00
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閲覧指数:653.4
2025/04/12 13時59分24秒現在
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    作品に書かれた推薦文

友だち コメントセクション

コメント数(7)
三浦果実
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(2023-08-10)

中田さんの作品に久しぶりにコメント書きますが、先日どなたかが、詩書きの能力とは別に詩の神に愛されてるかどうかがあると、いうてたんです。中田さんはやっぱ愛されてり1人だと思う。それがいいことなのか悪いことなのかはわからない。けれども、SNSや詩誌や同人誌やらでちやほやされ、自分の詩は素晴らしいから好きだとか宣ってしまう詩人とは、孤独がちがうでしょうね。独りよがりと孤独を同じにするなとSNSでちやほやされた頭でっかちをみかけたことがあった。独りよがりを孤独という。 あ、また気取ってしまった。

1
珀
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(2023-08-10)

他のどなたが投稿しても、やっぱりこの作品にコメントを書きたいと思わせる力がありました。

1
鷹枕可
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(2023-08-10)

矢張、特別な何かを。持っていらっしゃるな、と持っていないものはつくづく思うのでございました。 本当に、詩の店仕舞いを為されてしまうのでございましょうか。 余りに勿体ない、と悲しむばかりでございます。

1
田中恭平 new
田中恭平 new
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(2023-08-10)

えっ。詩の店仕舞いしちゃうんですか?違うでしょう、for missing the magazine でしょう?そこへおいらの素麺みたいな散文詩、載せてくれたじゃないですか。2016年、半世紀も経ってませんよ、こう書いてあるの知ってるんだから 「ぼくはぼくに執行猶予を科す  それもみな  かつての愛のためにってやつ (かつての愛のために(詩へのリハビリテーション#01))」 誰が書いたんですか。中田さんでしょう!! 執行猶予は、罪の償いは・・・まあ「友だち」かぁ。ベリィドライな一作見事です。

1
中田満帆
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(2023-08-10)

いい詩が書けるならチャップブックをだすかも知れない。それこそ「for missing the magazine」の第二弾とか。でも執行猶予は3年6ヶ月でパイになったし、来年の詩集のために詩を書いたら、短歌に絞るつもりです。もしもわたしを友人だと認識してるひとがいるとして、そのひとに伝わればいいかなとおもっています。

1
田中恭平 new
田中恭平 new
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(2023-08-10)

私ぢゃん!

1
エイクピア
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(2023-08-11)

リーバイ・パタの詩集に思い入れがあると思いました。裸の世界とはなんなのか。月のおかげで僕の中の壊れた破片が見えてというところは表現が巧みに感じられて、読みたくなる詩だと思いました。

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投稿作品数: 1