ざざざっ、と駆けめぐらなければならない!
草は揺れ草は揺れ草は揺れ
フウはおおきくふくらみ、
僕の立つ位置は薬草のまんなか。
五百億年の夜の光は地球の終わり
赤い砂糖菓子がきらめいて散る、それは目に刺さって血る
大気を吸いこむ川のながれ、
山なみは僕の気管支のように呑みこんでしまいたい すっと
目をとじて、この裏で燃えている闇 は親しかった何かを、思い出せない
僕は、オレンジの光でぼうぼうと
筋繊維の燃える匂いと
心臓を焼き尽くしても痛い光速の
宝箱があるのよだれにも見えないけれど
洋風の館が走っていた、
岩並の影が走っていた、
僕は走って息が塞いだ、肺胞がぷちぷちっと弾けたので生涯を草で終えた
はずなのに走馬灯を見ている、
夜が終わらない、
薬草を、
フウが走っている、
フウが
走っている、
とぎれない大地の脈が
それは水の流れであると彼は
あなたは飛べる
わたしの骨が地面から生えたいなのにどうして。
夜空のこととして語りたい彼は
草原のなかに立ち尽くすいつかは
なくなるもの、とでもないことを
ばかばかしい空想として空想する、
僕は!
わたしのなかにいて夜空を見上げている夜空と戦っているこれがあなたの世界だということをいい加減認めなさいわたしは、
生きていてもそれだけを忘れたくないのだし、
隕石が落ちてきていることを、泣き叫びたい衝動に駆られている
そのときわたしは獣になって
文字を引っ搔いて大怪我をさせなければばらない!
泣け!
泣け女、
夜が暴走している。
作品データ
コメント数 : 16
P V 数 : 1409.2
お気に入り数: 0
投票数 : 2
ポイント数 : 20
作成日時 2023-07-27
コメント日時 2023-08-08
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 3 | 3 |
構成 | 3 | 3 |
総合ポイント | 20 | 20 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 3 | 3 |
前衛性 | 2 | 2 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 3 | 3 |
技巧 | 3 | 3 |
音韻 | 3 | 3 |
構成 | 3 | 3 |
総合 | 20 | 20 |
閲覧指数:1409.2
2024/11/21 22時00分00秒現在
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こんにちは。 心象風景の中を駆け抜けてゆくような感じの詩ですね。 この感情の疾走は何故のものなのかわかりませんが、自分でも抑えられない、内から溢れ出てくるものが上手く表されていると思います。 特に、 「五百億年の夜の光は地球の終わり」 「筋繊維の燃える匂いと 心臓を焼き尽くしても痛い光速の」 「洋風の館が走っていた、 岩並の影が走っていた、」 「わたしの骨が地面から生えたい」 といったこれらの表現が巧みだなと感じました。 ただ、句読点の使い方ですが、句点については、 「僕の立つ位置は薬草のまんなか。」 というところでは、一行の表記でひと区切りつける効果が現れていると思います。 しかし、読点については、ついているところとついていないところとがまちまちで、効果が薄い感じがします。 個人的には、散文詩のようなものでない限り、改行で区切りをつけられるので、読点の効果を出すのは難しいと思っています。 でもこの詩については、そんな読点のつけかたも、やむにやまれぬ感情の疾走の表れとも思えます。 全体的に力強い詩という印象を受けました。
0タイトル通りの雰囲気を出そうとされたのだろうなと思います。 「夜が暴走している」その根源的な衝動を探しながら読みました。 できれば見つけてみたかったです。
0句読点の効果は、あまり考えていなかったです。それこそ書き殴ったようなものなので…。書いちゃったあとにアレコレ意識して変になっちゃったとこはあるかなぁと思います。
0「夜が暴走している」は、書いたあとにつけました。もとは「夜空が暴走している」だったのですが、それが言いたかったのかなあと思ってタイトルにしました。でもおっしゃる通りそれには到達できなくて、文字で誤魔化してるようなものになったかなあと思います。
1音がよい。
0フウとは楓であろうかと思いました。楓の実と言う言い方をふと思い出しました。フウが走っている。ばかばかしい空想を空想する主体。終わらない夜に洋館が走って居た。ありえない現象ですが、「僕」の空想と考えても、あまり意味はなく、主体が走っているのだと思いました。
0正岡子規は、文章っていうかテキストに山がないといけないと言ってて 「山会」ならぬ謎の朗読会を開いていたらしいけれど 後半のパート、山として巧く成立していると感じました。 正岡子規の弟子の高浜虚子は、山も大切だけれど文章には「谷」も大切で 私は「谷」を意識して書いている、と書いていました。 まあ何か参考になればいいかな、と思いつつ知識披露したわけですけれど。 この作者さんの作品はもっと読みたいかな。
0こんなROCKの血が流れた詩を、 見るたびうれしくなる、 ROCK好きな私。
1おはようございます。 おわっ。やっぱりツチヤさん、ロック好きなんですね。 僕も好きですけれど、ロック好きの人を通してこの作品を拝読すると ある種、理想であるというのは凄くよくわかりますね。
0こんにちは。二作品目の投稿作品みたいで、本作読んで、良いなあと感じて一作品目の投稿作品読んだんですが、三浦的には二作品目のこちらが好きですね。なんだろう、なんか心洗われましたよ。以前に詩が書ける時期なんて限られた短い期間しかない、みたいな話をきいたことあるんですけど、本作にはその瑞々しいというやつですか、明らか過ぎな詩情ではなくて、あーこの作者さん書くことの必然さ持って書いてるわーって感じたんです。言い方変えれば、頭で書いていない感じ。そういう作品読むとなんだか自分も書いてみたくなりますもん。
1ありがとうございます、リズムのある文が好きです、、
0ああ、良かったですありがとうございます。。
0フウの実、調べました。見たことあるようなないような。コメントありがとうございます。
0後半は「うまく書かないと」という緊張感を捨てられたので、山ぽくなったのかもしれないです。正岡子規の話はじめて知りました。ありがとうございます。
1ROCKですか!良かったです! ひたすらカッコよさを追い求めているのは確かです!
0良いなと思っていただけたみたいで良かったです。頭で書いていない詩が好きです。この詩は切羽詰まったときに書いたものですが、わかるものなのですね。コメントありがとうございます。
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