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白に映える
氷砂糖がざらざらしている お寺の洗面台で氷砂糖を一つ舐めた 白と透明の間 舌に残るざらっとした感触 海に行きたかった 砂は真っ白じゃなくていい 灰色の海へ ビンとか空き缶とかが埋まっている海へ そこで小さい貝殻なんかみつけて 靴のままで海の中に入ったら なんだかいい気がする どこまでも寂しい場所に 白だけが見える 死は白だ 骨の白とかお寺の洗面台の白とか全部 喪服は死を際立たせるための色なんだろう 最後の主役を目立たせるための白 お寺の寒々しい洗面台でこっそり盗んだ 台所の氷砂糖をなめる 線香の匂いが 分子レベルでしみついている
白に映える ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1114.4
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-07-25
コメント日時 2023-08-01
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんにちは。 なんとも言いがたい寂しさを感じさせる詩ですね。 お寺の洗面台という最初の場所の設定が、とても寂しくて、独特の雰囲気を醸し出しています。 氷砂糖の半透明の白、あまりきれいでない海の灰色、そして喪服の黒。 それらを死の象徴とする白と対比させている手法は見事です。 確かに死は白ですね。 死装束は白ですし、焼かれた遺骨も驚くほど白かったです。 死の白とは、もしかしたら現世の穢れを全て拭い去りたいという願望の表れなのかもしれません。 末尾の 「線香の匂いが 分子レベルでしみついている」 というところも寂寥感があっていいと思いました。
0コメントありがとうございます。 色の対比について工夫したので見事と言っていただけて嬉しいです。 >死の白とは、もしかしたら現世の穢れを全て拭い去りたいという願望の表れなのかもしれません。 なるほどと思いました。あの世に行くときには穢れをなくしたいという気持ちが白にしたのかもしれないと気付かせていただきました。 ありがとうございました。
0情感がよく伝わったように感じます。 濁りがあるほうがよく、黒は白があるから、悲しさのある人は美しかった。 「喪服の女性が綺麗に見えるのは白襟の所為。本当に美しい女性は黒いワンピースが似合う。黒のワンピースはごまかしが効かない。若すぎても年を取りすぎてもダメなんだ。」という漫画の台詞を思い出しました。 寺の氷砂糖は幼い頃の情景でしょうか。 何とはなく私には大人の男性に感じました。
0コメントありがとうございます。 情感がよく伝わると書いて頂いてとても嬉しいです。 寺の氷砂糖は中学生くらいの子をイメージして書いていました。ただ大人の男性として読むとより切ない気持ちになって素敵な解釈だと感じました。ありがとうございました。
1喪服は死を際立たせるための色なんだろう そうなのでしょうね。
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