夜がまた来る思い出連れて
俺とお前のよー、甘く
切なく隠微な秘めごと
鬼怒の河原のよ
砂利鳴る草根を踏み分けて
重なる欲望は
熱くたぎったふたつの肉棒
俺がお前によ お前が俺によ
捧げた風紋は あの日あの時
満天の闇へとよ 絡まり溶けだ
今独り漆黒の夜空をよ
見上げたところでよー
風紋は淡い思いになって
俺の胸をふわりと過るだけ
甚振るようにするりと抜けては
蒼黒の天球の彼方に消えるだけ
できるものならばこの手に抱き締めて
心の底からよー 涙を流して乞いたい
深いその情と慈愛で俺を許して欲しいと
お前は今でもよあの河原に居るだろうか
座っているだろか俺を待っているだろか
輪廻を超えても尚も変わらぬ愛を信じて
俺は幾星霜の時を超え今の俺になったが
時折り流れ来る止めどない涙の引き金は
お前を涜したこの身のカルマが引くのか
沸々と湧き上り胸を締めるこの思い
会いたい、あの日のお前に会いたい
罰にさえこころ惹かれる、焦がれる
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迷宮に囚われてもなお双眸は
偶さかの夜の戸張りに現れて
咎で穢れたこの身を貫く
分っていたんだな
不浄なカルマの齣々に
流れ映る愛欲は
無残にその身を引き裂くと
自堕落な俺の 忌わしい背徳と
愚かな悪行が 酸鼻な呪と化し
お前を打ち据え 魂を砕き割った
呪いは楔となり時を止め
塵々に砕けた魂を苛み続けてる
苛みは塵の一粒まで掻き集め
朧げの檻に封じ込めた
輪廻の節理さえ目を背け
諦めるほど檻の奥深く
朝の戸張りに仄かに浮かぶ双眸は
何を語り何を伝え何を知らせる
呪縛を解くにはなお足りぬ俺の贖いか
死者の心はよー 永遠に凍てる砂粒よ
許し乞う千の涙と万の思いも凍らせる
砂粒は瞬きもせず空虚な銅鑼を鳴らす
闇と光の狭間で揺らぐお前を救う為ならば
俺は何も厭わない、身を切りかてて加えて
万の涙と億の思いを朧げの檻に送り続け注ぎ込む
不浄を溶かし迷いを捨て、輪廻とカルマの大河に
身を委ね黄泉の国へと旅立てるその日まで
石となった心を溶かしどこ迄も連れ添うよ
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 666.5
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作成日時 2023-07-05
コメント日時 2023-07-05
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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技巧 | 0 | 0 |
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2024/11/21 22時19分33秒現在
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冒頭の部分が小林旭のさすらいだと思って、でもその後の展開は男女の情事の後の情念、来世までをも契ろうとする、輪廻を予感させる展開でした。輪廻とカルマ。決して男女の交合のみから生じるものではないでしょうが、矢張り男女の交合が基本になって居ると思いました。
0コメント、大変有難う御座います。男と男、女と女にも有り得ると思っています。対等、相互自立、冷徹、表面的関係、自己都合最優先、合理的、不干渉、ドライ……といったイメージの強い昨今に流行りのパートナー関係ではなく、精神的、経済的、性格的、性的嗜好的、社会制度的……等で不平等な間柄で起きた情愛ドラマかなと感じています。ドラマは怨嗟、執着心、後悔、自己嫌悪……などの負のカルマで、片や死後も片や転生後も続く。ただしその奥底には互いに無いものを貪り合い、魂の混然化を求めるまでの強い欲望がある。普通なら互いに寄り添い満足成仏しカルマの法則で静かに輪廻と転生の流れに乗るのでしょうが、そうできない人間達(魂達)もいるのではないのかなと書きたかったのです。仏教の輪廻とカルマと転生の思想を意識しています。石川さゆりの天城峠の詩に通じる部分もあるかなとも思っています。最後になりましたが重ねてコメントを頂き有難う御座います。
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