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どうせ
私には学がない。 だから、面白い話もできない。 私には美貌がない。 だから、誰かを楽しませることもできない。 私には、何もない。 だって、何もしなかったから。 あなたはそれでもそんな私を 蝶のように奔放に、お姫様みたいに大事にしてくれる あなたなしだと何もできない私。 あなたの口からこぼれた 「アイシテル」 たった5文字の言葉 それだけで蕩けるようで 触れてほしくて、視てほしくて。 あなたを困らせるのに。 あなたはちっとも困った顔もしてくれない。 このまま、私はあなたに飼い殺されたい。 だって、こんな私を愛してくれるのは あなただけだから。 壊れたお人形みたいを捨てるように乱暴に。 買ったばかりのドレスを着るように慎重に。 私を愛してほしいのに。 あなたは あなたは だから、今日は卒業式 優しい、優しい、あなたからの卒業式。 もらったリングは外して、あなたがかけてくれたネックレスはこのまま持たせてね 長い髪をひとつに縛って、音をたてないように 眠りにつく王子様はお姫様を迎えに行かなくていいのよ。 好き、その言葉を胸に秘めて、あなたの寝顔を見て、そっと家を出る。 行先はそう決まっているの。 一度だけ行った郊外の海辺。 あそこはね、二人っきりで行ったとき クラゲが浮いてたの 深い海底にいる彼がどうしてこんなところにいるかはわからなかったけど。 月明かりに浮いたそれを見て、心惹かれたの 生まれ変わったらクラゲになりたい。 人間はやめて。 どうせ、人間はうまくできないもの どうせ、人間は怖いもの。 だから、 神様、最期のお願い。 私を海月にしてください。 海の底に沈む、誰にも見えない昏い世界を私に下さい。 そうすればあの人は、あの人はきっと救われる。 内緒だよ、と持っていたあの人の黒い塊。 言っていたね、これを引けば人生を終わらせられるんだ、と ごめんなさい、私は悪い子でごめんなさい。 でも、もう疲れたの どうせ・・・・・・ どうせ・・・・・・ どうせ・・・・・・ ああ、そっと、銃口をあたまにつきつけて 世界にさよならを バッドエンドと人は笑う。 でも、これが私のTrue・End
どうせ ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 575.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-06-29
コメント日時 2023-07-01
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はじめまして。 ペンネームは海月になりたいという願いからきているものなのですね。 女性との付き合い方が下手な私には、その心情がよくはわからないのですが、詩としては、寂しさや哀しさが淡々と語られていていいと思います。 一行おきに書かれている形式が、今の生への静かな諦念のようなものをうまく表しているように感じました。
1はじめまして。コメントありがとうございます。 この主人公の女性はとても愛されているのに、その愛すら煩わしく、でも、愛されなくなることに恐怖して自ら幕を下ろしたピエロのような女性です。行間に秘めた生への諦念を読み取っていただきありがとうございます。
0壊れたお人形みたいを捨てるように乱暴に。 破格の文章には魅力がありますね。
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