兄が放火の罪で逮捕された。テレビでも少し紹介されましたね。そこで、全国の正義感あふれる強者たちと、不正や圧政に苦しむ弱者のために、兄の語るるに耐えない人間性について、鼻をつままずに語ろうと思う。というのは、あまりにもこの臭気漂う男と付き合わざるを得ない時期を長く過ごした所為で、私の鼻はバカになってしまったからだ。
テレビで競馬を見ていて、思う。同じことの繰り返しなんだ。何故、兄が競馬を見なかったか? 将棋を見なかったか? 野球もサッカーも嫌い、音楽や洋服を買っては売り、買っては売りを繰り返し、ひとつも物にも、他人にも愛着の持てない人間になってしまったか? 兄は慣習を嫌った。伝統をバカにしていた。自分が天才だと驕り、純粋や純朴を本音ではバカにしていた癖に、自分を誰よりも綺麗な男だと履き違えていた。ここまでのバカは、私が生涯生きて2度逢ったくらいだ。イヤ、本当言うと、もっと相当いるんだと思う。その二人に関して言えば、一人はウンコの臭いがして、蝿ではなく、人間が集っていた。もう一人は人前でケツ出そうが、床に唾を吐こうが、誰もお咎めなしの語るに耐えない男で、同じように愚かな人間の群れに慕われていた。こいつらを全員強制病棟に入院させ、収容所に入れて、毎日同じことの繰り返しに耐えられる人間にしろ! うちの親父だって、毎日文句言いながら同じことの繰り返しに三十年間耐え続けたんだぞ! それで家建てて、これほどの愚か息子を大事に大事に育て上げたんだ。兄の唯一の美点は習近平のような絶対権力を持たなかったことだ。日本じゃ、安倍晋三とごっつええ仲間がいるくらいで済んでるが、向こうで習近平様の悪口を言ったら、殺されるんだからな。これだけ不平不満があっても誰にも言えなかったのは、ディアマミーとファッキンダディが家庭内で言論封殺したからだよ。しかし、兄のことを幼少期に虐めた人間と兄のどちらが悪いかと問われれば、それは虐めた人間が悪いと私は答えるだろう。私はそれくらいの良識は持っている。しかし、実際にいじめを受けていようがいまいが、この腐りきった男の性根はそれほど大きく変わらなかったという点も見逃せまい。
敗戦後精神的支柱を失った日本。俺たちはそんな国に住んで今でも、この国を愛している。私は煎餅と、チョコレートと羊羹、そしてなにより日本国民が大好きだよ。兄は人間が幻想を持つに足りない存在だということを全身全霊を注いで表現し続けた。兄の毎日出し続けるクソと、その臭気に塗れた戦後民主主義の末路をこの目でシカと見届けようではないか?
作品データ
コメント数 : 2
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作成日時 2023-06-25
コメント日時 2023-06-27
#現代詩
#縦書き
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2024/12/22 15時17分50秒現在
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なんだろう?この読後のさわやかな印象は、なんだろう。とても古臭い文体なのに、若々しさがある。古き良き時代の家族もある。不思議。この作者がもし短編小説かなんか物語を出されるなら絶対興味ある。詩は、おそらくダメだと思う。わかんないけど。
1揺れ動くばか、葛藤をするくそったれ。若しかしたら、話者は「兄」と「自分」を同一視し、ともすると愛おしんでいるのかもしれません。 「戦後民主主義」への名付けようもない愛惜で結ばれた、とても瑞瑞しい感性の作品であると感受を致しました。 稍古風な文体も相俟って、反転された愛憎が、とても素敵です。矛盾は作品を、人間を味わいあるうつくしい存在へと深化せしめるのでしょう。 此の一読しての理解しがたさは大いなる美点であると思いました次第でございます。 これからの御作が、楽しみです。 今、という時間も捨てたものではございませんね。
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