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まっぴらごめん
わたしゃあ、名もなき年金生活者。お酒も飲む。テレビも見る。ネットで陰謀論だって漁るし、暴力映画だってストレス発散のために観る。でも、自分の心の中を見ることだけは、まっぴらごめんだね。それはとっても怖いし、効率の悪いことだから。 わたしゃあ、名もない芸術家気取り。哲学書も読むし、カラオケも行く。エロ本読んで、オナニーだってする。だけど、自分の心の中を見ることだけは、まっぴらごめんだね。そう思う気持ちは、よく分かるよ。 わたしゃあ、テレビのお笑いタレント。笑わせもするし、謝罪もする。金のためだったら、なんだってやる。でも、自分の心の中を見ることだけは、まっぴらごめんだね。そう言いたい気持ちは、よく分かりますよ。 わたしゃあ、人気のロックミュージシャン。朝から晩まで歌って呑んで、デカパイ女と、セックスセックスセックス。でも、自分の心の中を覗くのだけは、まっぴらごめんだね。今夜も涙がボロホロリ。 わたしゃあ、ネトウヨ、おヤクザ政治家。今夜も弱者に罵詈雑言。傷つけ傷つき、憂さ晴らし。でも、自分の心の中を見ることだけはまっぴらごめんだね。それは負け犬の、変態のやることだと思うよ。 わたしゃあ、名うての精神科医。弱味に漬け込み、薬売り放題。貴方のお悩み相談します。でも、自分の心の中を覗くのだけは、まっぴらごめんだなぁ。貴方の心の中なら、いくらでも鑑定しますよ。 わたしゃあ、浮浪者。昔はスーパーで働いてました。ゴミ箱漁ってひもじい毎日。外でクソして、小便垂らし。でも、自分の心の中を覗くのだけは、まっぴらごめんだなぁ。だけど、それしかやることがないんだ。 わたしゃあ、弱い子いじめられっ子。お父さんお母さん、お兄ちゃん、ガッコのみんな。大人になっても福祉に行っても。みんなで僕をいじめるんだ。誰か助けて、でも誰も助けてくれない。自分の心の中を覗くのだけは、まっぴらごめんだって? 僕にはみんなの心が見えない。 僕たち立派な社会人。毎日頑張り出世して。みんなで苦労して、大きくなった。でも、自分の心の中を覗くのは、まっぴらごめんだね。それは、物好きの暇人のやることです。 僕たち弱者の味方です。弱い人たちを助けます。でも、自分の心の中を覗くのは、とっても勇気がいること。そっと気をつけて、心にメスを入れなきゃいけない。みんな金稼いで、自分が生きていくことで精一杯なんだ。
まっぴらごめん ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 787.2
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-06-23
コメント日時 2023-06-25
項目 | 全期間(2024/12/22現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
なんか嬉しかった。一家団らんの食卓に必ず魚があった時代を思い出しました。まっぴらの正体はお醤油だ。ごめんという魚にお醤油をちょっと垂らす。骨は多いが細かな骨は柔らかい。誰も美味しいとは言わないが必ずあった。そんな懐かしさがある。6畳一間にキッチンとユニットバス、築30年のアパートだ。隣に誰が住んでいるのかも知らない。だからこうして一人一人紹介してもらえると嬉しい。大家はどうやら別のとこにお住まいで?
0何か読みにくいなぁと思いました。
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