忘水 - B-REVIEW
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PICK UP - REVIEW

ことば

ことばという幻想

純粋な疑問が織りなす美しさ。答えを探す途中に見た景色。

花骸

大人用おむつの中で

すごい

これ好きです 世界はどう終わっていくのだろうという現代の不安感を感じます。



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忘水    

きのふなき走馬燈に緋牡丹降りて沸く謡曲「北斎」があはれつぎはぎ  をとこ木犀の花砕き星空に死す――ハッブル塔へと肖ゆる附録を 白村江といへ国家を昏き軍艦唱歌転調ののち彌撒曲に法悦 家出青少年狩りに警官リラの花立匂ふ健全教育の榮へ 況や悪人を愛す死なしむるまで純血の矢車菊はキリストへ帰れ 言葉残りて明る 木庭沈丁花に藪蛇のこしてさりゆかむかな 出奔嬰嬰と隣家へ 継子に瀝青あたへたまふ吃音が祖父 世継家継産れざるまま菜の花一圃へとなきははが貞節 新世界より郵便夫の死つたへ来は成婚新婦の旧嫡蛭子 孤児と犯罪学 鳥兜と菖蒲代へて戴冠式ののち帝王切開


忘水 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 16
P V 数 : 1183.0
お気に入り数: 2
投票数   : 0
ポイント数 : 0

作成日時 2023-05-08
コメント日時 2023-05-12
#ビーレビ杯不参加
項目全期間(2025/04/09現在)投稿後10日間
叙情性00
前衛性00
可読性00
エンタメ00
技巧00
音韻00
構成00
総合ポイント00
 平均値  中央値 
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閲覧指数:1183.0
2025/04/09 14時11分15秒現在
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    作品に書かれた推薦文

忘水 コメントセクション

コメント数(16)
田中恭平 new
田中恭平 new
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(2023-05-09)

ちょいと寄らせていただきます。 なにか、あんれ?こんな明るいっていうかポップ?だったかなという印象。 僕の方が心象が暗い説もあるのですけれど。 >きのふなき走馬燈に緋牡丹降りて沸く謡曲「北斎」があはれつぎはぎ きのふなき走馬燈、っていうのが味がありますね。 何か、心象の変化みたいなものがあって、今宵はその、走馬燈がある と読むか。取り敢えず。 >緋牡丹降りて沸く謡曲「北斎」が 謡曲の北斎、の選択が憎いですな。憎いですな、って僕は誰なんだ 絵というか字ずらと歌としての音、両取りでいくぜ!ってことですね。 >あはれつぎはぎ ここで時代的な批評?が入るわけだ 自分の歌を客観的に捉えてそう結句したのかも知れないけれど。 きのうなかった走馬燈が立ち現われ、それは反対リアルな、緋牡丹がボトッと落ちて その瞬間、耳に、謡曲「北斎」が流れたのだけれど、それはつぎはぎされたもの まあ青少年の為に、超訳する人なんですけれど、これはすんまへん これだけでもポップですよね 諳んじてカッコいいし。 cool!!

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黒髪
作品へ
(2023-05-10)

こんばんは。 滋味深いです。全体を通して読んで、なぜか王冠のイメージが残りました。想像力があり、音の崩れ具合(というのでいいでしょうか?)が絶妙に感じました。僕も一首でいいから詠んでみようかな、楽しそうだなと思いました。 忘れ雲取り置きてみんとファインダー話の中から取り出す絆 王冠の血色の宝石幾世紀蜘蛛の巣張って国の運命 お粗末様でした。

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黒髪
作品へ
(2023-05-10)

こんばんは。 滋味深いです。全体を通して読んで、なぜか王冠のイメージが残りました。想像力があり、音の崩れ具合(というのでいいでしょうか?)が絶妙に感じました。僕も一首でいいから詠んでみようかな、楽しそうだなと思いました。 忘れ雲取り置きてみんとファインダー話の中から取り出す絆 王冠の血色の宝石幾世紀蜘蛛の巣張って国の運命 お粗末様でした。

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黒髪
作品へ
(2023-05-10)

すいません、連投してしまいました。

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田中恭平 new
田中恭平 new
作品へ
(2023-05-10)

>白村江といへ国家を昏き軍艦唱歌転調ののち彌撒曲に法悦 白村江のたたかい、があるけれどやはり「白」の色彩を念頭にする。 に比して、国家が昏い、夕方の「オレンジ」から夜の「黒」まで行く。 では、肝心の「歌」はどうなのか。 軍艦唱歌、それはひとときは健康に響いた歌かも知れないけれど 「軍艦」の語が、響きがやはり暗く、しかし転調、彌撒曲、これはミサ曲だと思うけれど 「白さ」に行く、イメージ、そこに法悦。救いがある。 白→黒→黒→白 最後の、白、が個人的な経験に負っているというところが 現代的かなぁと。 この歌には私の思い入れもあり、追記コメントしたかった、です。

0
鷹枕可
田中恭平 newさんへ
(2023-05-10)

読解を賜りまして、嬉しく存じます。 そもそも、読解しなければならない様な歌が流行る時世ではございませんので、何をしているのか、とも思いますが。 音調と色彩のイメージには、気を遣って記述をさせていただきましたので、其処を分析して頂きますと、允に心嬉しく存じます次第でございます。 そもそも、拙歌に正解、正答はございませんので、印象の幅(若し、あればでございますけれども)を愉しんで下さりますと、本望でございます。

1
鷹枕可
黒髪さんへ
(2023-05-10)

閲覧を賜りまして、嬉しく存じます。 お詠みになられた二首目、 >王冠の血色の宝石幾世紀蜘蛛の巣張って国の運命 とても佳いと、感じ入りました次第でございます。 読みに於きまして、玉虫の様に意が移り、映る歌と申しますものは、それだけ懐が深いと思われますので。 允に、有り難うございました。

1
田中恭平 new
田中恭平 new
鷹枕可さんへ
(2023-05-10)

>そもそも、読解しなければならない様な歌が流行る時世ではございませんので、何をしているのか、とも思いますが 僕は重要なワークだと思っています。 自分語り、経験則になりますけれど その、東京のマイルドヤンキーだったとしても 老舗の居酒屋なんかで、マナーがあって、その中心で先生にあたる方が 「塚本邦夫さんが」なんてポロッと言ったとする。 そこで、やっぱり、「ああ、皇帝ペンギン飼育係のね」なんて さらっと応えられて、それは文化事業とかでなくて、本当の文化だと 私は考えているので。coolってそういうことだと思います。 その、そもそも、歌はベストセラーではなくて 詩もそういう側面があるのだけれど、こうしてビーレビューの作家さん方が 頑張ってらっしゃる。 僕はそれはどちらも有意義であると思っています。 無為なことじゃない。僕はそう思います。応援しております。

1
鷹枕可
田中恭平 newさんへ
(2023-05-10)

応援を賜り、有り難うございます。 本日、土地の画廊を覗きましたら、三菱の油彩鉛筆を用いました写実画展が開催されておりました。 首都景観や、ジュース缶、猫、等等。 二十世紀の、抽象表現主義からの揺れ戻しに拠って。今は写実画が流行しているそうでございます。 珍しく、人集りができておりました。 而して、 なにくそと。時代を逆行しながらも実作を邁進したくも思う心境でございます。 下記は、戯れ歌でございます。 コンビニエンスストアに有閑おとづれて貼紙見らば朱書きにて翼賛

2
田中恭平 new
田中恭平 new
鷹枕可さんへ
(2023-05-11)

すいません、何か熱っぽく、自分語りしてしまいまして 加えて、歌、みそひともじ、はやはり、みそひともじ、で読まれるべきで それは意訳ではなく、独断的な超訳ですけれども 歌を、やはりばらばらにしてしまったことに、自分で これはいけないことをした、と「痛恨の極み」を感じています。 その、「塚本邦雄も口語してた」なんて説があって それは私の勉強不足なのですけれど 鷹枕可様が今後その口語の方へ自身をふったとしても それは私の中で「あり」、なのです。 ただその、口語の短歌というのはそもそも 「短歌の最終の問題」であって さいきんの風潮としては、みんな伝統を踏まずして 口語の短歌を創作している。 基礎を踏まずして最後の問題ばかりしている。 これが僕の中で、もやもやする。 え?反対じゃない?その読解に労する歌にもやもやするのでは。 これは「今」と仮定しておくとして、僕のスタンスは明確にそれは違う それは、歌というのはその「微妙」 この語も意味が変わってしまったけれど「微かな妙」ですよね、 それを「味わう」ものであるから、と。 これで今作のコメントの最後の追記になります。本当に失礼しました。 ありがとうございました。

0
鷹枕可
田中恭平 newさんへ
(2023-05-11)

ご返信を賜り、有り難うございます。 現代短歌と口語、の問題を思います時、 口語短歌は俵万智史に拠る大衆文芸運動の側面と、穂村弘史に拠るライトヴァース的前衛運動の側面、この両輪に拠って、発展したとも言えますでしょう。 問題は一に、実験的であるべき前衛運動が大衆文芸に膾炙されてしまいました事、 二に、ライトヴァースに拠る前衛運動そのものが、飽和状態を迎えてしまいました事、 この二点に尽きるのではないでしょうか。 次に、ライトヴァース的転換を図るならば、英字に拠る短歌、等をしか想像はできませんが(英単語の導入は既に始まっております)、 英語圏の凋落が予想され得る、これからの世界に於きまして、この選択はいかがなものか、とも思われます。 復、全言語統一の先にあるバベルの塔の寓話を鑑みましても、土着の言葉を無碍に致しますことは甚だ問題を孕んでいる様にも、思われてなりません。 敷居を無駄に高く致しますのも野暮ではございますが、 創作者各個が表現者たるべき矜持を保持せざる時、そこに広がるのは言葉の枯野のみ、なのかも知れません。 四苦八苦し乍らも。言語芸術、詩と致しましての短歌の新しい萌芽を開拓せねばならない、と肝に銘じて居ります所存でございます。 長々と、拙文を綴れるままにつづれさせていただきました。 お付き合いくださりまして、允に有り難うございました。

1
田中恭平 new
田中恭平 new
作品へ
(2023-05-11)

スマフォから拝読しましたが、(笑) なぜに私の涙腺を緩ませるのでしょう。 ありがとうございました。貴重な体験でした。感謝。

1
三浦果実
作品へ
(2023-05-11)

短歌作品へコメントを書くのはなかなか、苦手意識が解消されずに三浦はおるわけですが、字数制限が現代自由詩には無いかといえば、あるわけですよね。たとえば、「この一行の字数はこれでなくては韻律が崩れてしまう」みたいな体験が未だ下手な私にもあります。そうであれば、短歌で鍛えると詩書きはよいというのは頷けます。本作にも鷹枕可さんのその縛りのうちに出されているであろうご自身の手法、語句の色合いを、読めない私にも感じ取ることが出来ます。それぞれの首にある「走馬燈」「星空に死す」「キリストへ帰れ」「帝王切開」という選語の痕跡の滲みにそれを感得します。鷹枕可さんにはだれも敵わないでしょう?と三浦に以前語っていた柳煙氏がおりますが、彼や彼等が感得するその感度からすれば、鷹枕可さんの短歌は未来を明るくするものですし、そうであると確信します。

1
鷹枕可
田中恭平 newさんへ
(2023-05-11)

いえいえ、私の方こそ、とても貴重な時間を過ごさせて頂きました。 有り難うございます。

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鷹枕可
三浦果実さんへ
(2023-05-11)

身に余るお言葉を賜り、嬉しく存じます。 略、塚本の受け売りにて、申し訳もない歌風ではございますが。 悪辣且つ、なるべく厭味を滲ませない洒脱、を求道致しまして、邁進をして行きたくも思う所存でございます。 ユーモアの必要性(と、口に致しましたなら野暮ではございますが)をひしひしと覚えつつも、行き過ぎぬカリカチュアと諸共に、それを研鑽致したく存じ上げます。 私信、及び追伸:「角川短歌新人賞」への作品投稿に附きまして。判組の問題にて苦難致して居りますが、結果はどうあれ、必ずや応募を遂げたく存じます。

1
鷹枕可
さんへ
(2023-05-12)

鋭いご指摘を賜り、嬉しく存じます。 仰ります通り、幾ら違うモチーフを歌いましても、歌の構造そのものに変化が無ければ。 自己模倣に等しい、と存じます。何れ程「われ」に囚われずに歌い続けられるか、今後の課題とも申せましょう。 コンセプチュアルに創意を整えるか、一首の独立性にて作と為すかを、自身に問い続けねばならないと、今、考えて居ります。 復、題名をご称讃下さり、允に有り難うございました。

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