蒼い空に染められた雪
溶け出した川
雪柳の林は風に揺れる
すべてが光に照らしだされていて
小鳥たちは蘆の岸辺で囀りをかわしている
そして、追憶の中に身を潜めていたあなたが
軽い緑の服を身にまとって帰ってくる
懐かしい美しい日々よ
わたしはふたたび愛することができるだろうか
空の光と風の揺らめきの中で
訪れていた儚い遠くないころを
かつて、わたしは川をこえ、草原を歩き
あなたと愛の囁きをかわした
今、この場所で思い出のそよ風をわたしは聴いている
遠い国で海の風の匂いを身につけたあなたを抱きしめよう
すると、細くて長い指を持つあなたの白い手が
わたしの喉に触れるだろう
その欲望とともに
長い冬が終わり木立のなかで春の声が鳴いているのだから
作品データ
コメント数 : 6
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作成日時 2023-05-03
コメント日時 2023-05-04
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 21時36分57秒現在
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読んでいて安心する気持ちが起こる ともかくこの作者様なら信頼できる、また読もうと思う。 棘のある言葉で、ガツンとつく表現も私は好きだけれど さいきんはこういった抒情詩の方へ目が行くというか 何か詩を読んでいる間だけは、別の世界、自然か、そこへ行って 心を落ち着かせたいなと思います。
0こんにちは。 この詩は愛しい人との再会を喜ぶ愛のうたのようですが、春という季節を擬人化してその到来を喜んでいるもののようにも読み取れます。 いずれにしても一行一行の表現が美しく練られています。 特に冒頭の「蒼い空に染められた雪」という表現が秀逸だと思います。
0雪解川ですね。名山削る響きであるような。雪柳が咲くのはまだ先のことかもしれない、この詩では。そして追憶の中にどっぷりと沈む。大自然が与えてくれた追憶はこの詩をより純粋にしてくれたのかもしれません。
0私の作品を信頼できると仰っていただき、とても嬉しく思います。 私は、棘のある言葉で、ガツンとつく表現は出来ないタイプで、それを書けないのは技術的というより精神的なところにあるような気がします。 抒情詩は最近はあまり見られなくなってきましたが、それだけ希少価値があると思いますので、その持ち味を生かして詩作を行っていきますね。
1こんにちは。 この詩は、どちらかと言うと、春という季節を擬人化したものですが、愛しい人との再会を喜ぶことの意味も込めました。 春は出会いの季節ですから、愛しい人との再会もあり得るかと思います。 表現はなかなか蒸すかしいもので、m.tasaki様に気に入って頂けたのであれば、作者としてこれほど嬉しいことはありません。 有難うございます。
0雪解川の音が一番、春の訪れを感じさせてくれますね。 そして、初春こそが、春の一番すばらしい時だと思います。 長い冬が終わって、追憶が蘇る、そんな季節が春ですし、大自然もまたそれを後押ししてくれるのだと思います。
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