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マイケル・スタイプ 2
更地には墓石がびっしり 同じ方向を向いて並んでいた 目頭が涙で熱く 月光で肌がひりひりする 昨日沢山鶴を折ったのに 子供達が大人になるまで待てない 「もう行かなきゃ、」と 西洋風の天使のように墓石に座り 恋人の姿をした私が言った 「その為に呼んだんですか? 誰が何処へ行かなきゃいけないの」 私は死んでも不明瞭だ 「あなたが、 私達が生まれなかった世界へ」 飲み込んだ涙の透明な甘さ 生きていこうと誓った 多分、言葉すらまだ追い付かない あの味が舌に残っている 「私、もうあなたの姿が思い出せないんです」 「忘れてないじゃない」 「好きだったんです、服のセンスが」 「代わりはいたでしょ」 「いませんでした」 在来線に乗って東京を出て (もしかしたら奈良から戻るのかもしれない) ぼんやり車窓を眺めていると 自分がいまだに家から一歩も出たことがないのだ、 ということに気付かされる この電車を降りても 私は帰れない 生きている内から供えた煙草の匂い 古くなりかけた切り花の色 あの日頬をくすぐったのと同じ風 私は写真を撮るべきだったのだろうし 撮っていたのだろう 一人でずっと死んだあなただけを
マイケル・スタイプ 2 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 540.9
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-05-02
コメント日時 2023-05-02
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんにちは。 この詩での「あなた」とは、自分の中で既に死んでしまったもう一人の自分のことでしょうか。 はっきりとはわからないのですが、ただ、三連目の表現はとても美しいと感じました。 死んでしまったもう一人の自分の中に、何かとても大切なものがあったのでしょうか。二連目末尾の「私は死んでも不明瞭だ」というところを読んで、何となくそんな印象を受けました。
0こんにちは。 何度も繰り返し書いている記憶なので、そこだけ洗練されたのかもしれません。 死んだ自分の中にもし大切なものがあったとしたら、それが理由で墓を建てられているんでしょう。 たとえ自分自身であっても殺すべきではない、という説教がいまいち呑み込めずにいます。現実離れしていて。 有難うございます。
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