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回り、回って
ごめんねって言われると痛いから、 ごめんねって言ってしまう。 私達は距離を取るのが上手すぎる。 近づきすぎることなんてない、 互いの心を守った関係。 ここでこんな事言わないかな、 なんてこともなく 安定した言葉達が次から次へと重なって、 私に絶え間なくたずねてくる。 一切の別れを試みても、ブレーキが作動して、 後味、切れ味の悪いぼやけた時間が、 ふたりを回って流れていく。 「これ以上は、」って分かっていて、 越えようとするイタズラな発作を迎える 今日の夜へ、 叶わないという冷静さを添え、 見せすぎず、知りすぎないよう、 隠し隠れる。 何ともないフリを演じて、突き離そうと努力。 どちらかがはみ出したら、 どちらかがセーブする。 笑えるほどによく出来た関係。 まったく、味が、ない。 まるで、どこかに甘酸っぱさを置いてきたように。 この味のない関係に なんて名前がつくだろうか、 味はないのに、確かに私達の元に存在している この関係は目的地のない迷路。 求めて、突き離して、突き離しては、求めて、 この絶え間ないゲームの中で、 私にも誰かがいるという心持ちと、 明日にはなくなり得るという なんとも冷たい現実が、 何度も交差する。 そんな時、私は君を強く求め、君は後者。 これでいいんだってなだめ生きるこの日に、 目的地はあるのだろうか、 あぁ、また、君に会いたい。
回り、回って ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 969.4
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-04-18
コメント日時 2023-05-31
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はじめまして。 私は人と接するのが苦手なので、他人と適度に距離をとりながら上手く付き合える人が羨ましいと思っていましたが、そのような人にもそれなりの苦悩があるのですね。 「この関係は目的地のない迷路」とありますが、全ての人間関係に明確な目的地があるわけでもないとも思います。 その人と付き合うこと、関係を保つことそのものが目的地であるようなケースもあるように思うのですが、 「まったく、味が、ない。 まるで、どこかに甘酸っぱさを置いてきたように」 と書かれているところから察すると、ここで表されている関係とは、そこまでいかない中途半端な関係のことなのでしょうか。 何かモヤモヤとした不完全燃焼のような雰囲気を感じます。 それでもやはり、その人に会いたくなるのですね。 人間関係というのは難しいもののようです。やはり私は上手くできそうにありません。
1「私」は「君」を求めていて「君」はその逆というように読めたんですが、私は二人は「持ちつ持たれつ」の様に思いました
1今日、春の雨で、現場仕事が流れてしまって、朝からビーレビに付き合ってみようと 考えて、いそいそコメントをつけているのですけれど、やはり難解な詩も多いなかで こういう作品は反対に強いな、読んでいてほっとするな、と思います。 丁寧に書かれているのがいいですね。
1考えすぎると何もわからなくなるので回り回りたくないです。
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