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糸のような光
眼を閉じて 暗闇に浮かび上がる のたくる 細い糸のような光は 閉じられたカーテンと 床の隙間から忍び込む 外光の切片だっただろうか 羨望の軛と 模倣の虚しさとは とぐろを巻く二重螺旋で 絡まった糸を解すため 正視に耐えぬ まばゆい光を求めたが故に 剥離した網膜は もはや光跡を辿る 言葉を観ない カーテンは閉じられたまま 開かれることはないが 剥がれた鋸歯の葉縁に 屈折する残光は 跪き踞る背中の円丘を 仄かに暖める 二重螺旋がとぐろを巻く 暗闇に生き残るのは のたくる 細い糸のような光 か細い糸屑のような 光の切片が宿す 没しゆく 憧憬の残映のみだった
糸のような光 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 631.4
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2023-04-01
コメント日時 2023-05-19
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
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構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
喩えているんですよね にしても状況が分かりづらい 光を細い糸としている部分になんか違和感があると言うか もともと 細い糸自体に弛んでいると言うイメージがあるからなのか それとも細い糸自体に何か筆者の心情と言うか罪悪感みたいなものを喩しているのかもしれませんが 状況があまりに公開されてないので 移入出来ないと言うか コメントを置き辛い感じだし 何故か内容自体はあまり明らかにして欲しくないと言う感じがあって 詩作品としては弱いのではないかと言う感想ですね 海軍 大佐(昇格)
0コメントをありがとうございます。 解釈に幅を持たせようとして、また、心に浮かんだイメージを表そうとして、敢えて漠然とした書き方をしましたが、やはりわかりづらかったようです。 あまり直接的に書くと深みがなくなりますが、深みを求めて漠然としすぎるとわからなくなります。 どこでバランスをとるか、難しいです。 今後の課題とします。
0美意識を感じます。
0コメントをありがとうございます。 この漠然とした拙い詩に美意識を観ていただいて、たいへん嬉しく思います。
0わたしも気になってました あれなんなんだろう ノタノタちかちかするやつ 坂本家では光の虫って言ってます m.tasakiさんが日々詩作のためにアンテナを綺麗に磨いているから 誰もが見過ごしてしまうような事柄に 立ち止まり思考し特徴的な 作品を生み出せるのでしょう 難解だとしても貫けばm.tasakiさんの 武器になるかもしれません 研磨し研磨し鋭利にしてブスリと 読み手の胸をしてやるくらいに いい詩をサンクス
0コメントをありがとうございます。 難解だとしても貫けば武器になるかもしれませんとのお言葉、励みになります。 どこまで鋭利にできるかわかりませんが、誰かの胸に深く刺さるよう精進してゆきたいと思います。
0事物を見た時、心が澄み渡って惚れ惚れとする場合と、目をふさがれるような、目潰しを喰らう感じがする場合と、色々ありますが、後者の場合に、その心象をつぶさに捕えていて、冷静さを感じました。羨望に目潰しされるのは自分との比較から来るかなぁ、と思いますが、それは辛い、ちょっと苦しい心なので、そこを糸のような光と自分、と対峙させる緻密さにデリケートな心を感じます。
1コメントをありがとうございます。 「羨望」というところに眼を向けていただき、たいへん嬉しく思います。 以前その苦しさをそのまま詩に書いたら、詩人が詩を書くのに苦しむのは当然のことだとの批評を受けたことがありました。 ですから今回は「のたくる細い糸のような光」や「剥離した網膜」といった言葉を使い、敢えてぼかして表現しました。 そこのところを汲み取っていただけて、とてもありがたく思います。
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