日に灼けた赤髪を後ろで無造作に束ねた そばかすだらけの女が
ブラウスのボタンをいらいらと外している
そばかすだらけのちいさな胸がこぼれる
桟橋の袂に衣類をおざなりに引っ掻けて
最期に勢いよく脱ぐ
腕を振って大股で走り湖にざぶん!と飛び込んだ
連れの男も慌てて裸になりざぶん
シェパード犬がドドド、とまろび転げてざぶん!
ボコリと陥没した水が白く泡を吐き
水はいっせいに群れる細かな羽虫だ
羽ふるわせて沸き舞い踊る羽虫だ
まばたきの命の 女と男と犬がくつり、煮え立つ
二人と一匹の息は顔にぶつかり合い熱いベロだ
岸へあがると歯の根はカチカチして
膝はひょこひょこ引き攣れ撥ねて笑う
ぶるり震えながら丸、三角、四角、とまくしたて
ササクレ柱に引っ掻けたタオルを身体に巻き付ける
ぺたりぺたりと濡れ足で還り
長椅子にふやけた足指の片膝ついて
煮たてた牛乳を唇にふくむ
どぽぽ、とシェパードの皿にも乳が飛び散る
ごぷりごぷり、
皆赤ちゃんの気分で
作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 719.3
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-02-01
コメント日時 2023-02-02
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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エンタメ | 0 | 0 |
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閲覧指数:719.3
2024/11/21 20時51分07秒現在
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表現が練れて居ると思ったのですが、もう少し読んで見る必要があるのかもしれません。最後の一行は遺書?と取れるのかもと思ったのですが、少し自分の見解が分からなくなりました。
0遺書のように詩を、って、良いですね。いろいろ想像して読んでもらえるのも嬉しいです。有り難うございます!
0皆赤ちゃんの気分で そんなわけにはいかないのが現実で。
0願望で清々しいシーンを描いてみたかったのですけど。
0青春映画のように香ばしく、絵画的にを確かに心がけました。有り難うございます!
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