エピメテウスの希死念慮 - B-REVIEW
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エピメテウスの希死念慮    

発達した文明を笑う芋虫 発達した文明を笑う芋虫 鉄塔の傾いてヒトの 技術の浅ましさに犬が死ぬ 鉄塔に潰されて死ぬ 冬の土、枯れ木の 割れ目にパンを挟む 停止した行進は ただの行列と化す 独居庵のシュプレヒコールは ささやかな愚痴にすぎない うつむいて影を見る 靴紐がほどけて俺を 馬鹿にする 思想は脳の黴である 近代の湿気がお前を 近代の熱が俺を じめじめとした夏の あの夏の日差しが俺たちを 船にのせて海へと あてもなく海へと 行き先のないバスに乗る しなびた本の栞みたいな連中が いる  昼、まずい蕎麦を食う これが人生の味だと ゴキブリが笑っている ゴキブリが俺を たどり着いたのは荒野ではなく あたたかい家だった せっかく山を登ってきたのに せっかく山を登ってきたのに 悔しくて悔しくて 俺は、せっかく山を 俺は とうとう死んでしまう日まで 笑われて生きたいと思うが 拍手をされてしまい 泣きそうになっている 足元で俺が死んでいる こうして、あくびとともに とうとう死んでしまったのでした


エピメテウスの希死念慮 ポイントセクション

作品データ

コメント数 : 3
P V 数 : 829.2
お気に入り数: 0
投票数   : 0
ポイント数 : 27

作成日時 2022-12-21
コメント日時 2022-12-22
#現代詩
項目全期間(2025/04/12現在)投稿後10日間
叙情性22
前衛性44
可読性55
エンタメ55
技巧44
音韻33
構成44
総合ポイント2727
 平均値  中央値 
叙情性22
前衛性44
可読性55
 エンタメ55
技巧44
音韻33
構成44
総合2727
閲覧指数:829.2
2025/04/12 01時28分10秒現在
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    作品に書かれた推薦文

エピメテウスの希死念慮 コメントセクション

コメント数(3)
湖湖
湖湖
作品へ
(2022-12-22)

うまい。 批判意識もあり、ユーモアもあり、言葉も簡潔で削がれている。読みやすくて、意味も粒がそろっている。お上手。思想が脳の黴なのかはあなた次第では。

1
さんへ
(2022-12-22)

コメントありがとうございます。

0
湖湖さんへ
(2022-12-22)

コメントありがとうございます。 過分なお言葉、恐縮です。季節は冬ですが、熱と湿気を吸った思想が繁茂するような気がしてきました。

1

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投稿作品数: 1