ただ、美しい言葉を奉り…

この気持ちは分かるまいせめてただ美しい言葉を吐きたかった真珠を吐く蚕となって美を作ることが慰めで理由足りうるから存在よ、無為を燃やして怒りで決起せよなんて退屈な闇だろうそれは千年を生きる女郎蜘蛛の女王で宇宙の海にあなたの心を絡めとる孤独が女王を作る愛だけがあなたの心に欠落したパズルピースだと手形貿易の通貨は思いの丈を言の葉にしたこの一枚秋の葉、散りしめるそれは私の愛の魔法だ哀しみをチョコレートに代え喜びをオレンジ絞りシネマを見せる智恵子よレモン哀歌は夕闇に紛れて愛を掴まえられない物笑い哄笑酸っぱいだけのレモンよ居酒屋は酔っ払いだらけなのに残念なことよ千ベロに後ろ髪ひかれて潮干貝スナックの戸を叩けないシガーバーに行きたいわけじゃない嘆きが行き場を失い弧を描く私の街に千ベロは無い一人ぼっちそんな私の血を吸う人達処女は夜ごと押し寄せる吸血鬼をセクシーに思うそんな風にしているうちに胸元に人面相が宿るおまえとのいびつな愛よ愛と呼ぶべきか宿主として病み生き永らえ啜られて老いる私は一人ぼっちさよなら、と美しく語り消えてしまえるならよかったうらぶれてあなたを傷つけたい私を愛して下さらないから大切にされたなら愛人は心の身だしなみを整える指の宝石を偉ぶり貧乏人をせせら笑ったりはしない纏足の女の恋のぼろを着て女の百年が地球に木霊する此処は虎の穴ならぬ纏足女の穴だ

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作品データ

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作成日時 2022-10-09
コメント日時 2022-10-09

#現代詩 #縦書き