地理的に近い空間を生きている。
ただそれだけのことが、どうしてこんなにも
僕の心をあなたの日々へと近づけるんだろう。
唐突にあなたに切られた痛みは、いまやただ
僕に赦すということの持つ
その気高さを享受させるためだけに在るかのよう。
この世界を、そして少しばかりあなたを。
あの日々にあなたから僕へとさんざん伝えられた
異性としては見ないとの暗黙のメッセージ。
その仄かなる反転の予兆が
遠い明日の日へと陽だまりのように延びている。
たとえとんだ勘違いだとしても、僕は生きるでしょう。
静かに眉間へと、あまねく気を集わせ
この目を細めてあの日々を眺めながら。
そしてまたあの日々のその、やさしい影のような
そんないつの日かのあなたのその
なだらかなほうれい線に、憩いながら。
今朝も僕は珈琲を入れながら
あなたをもくるむ陽の安らぎに、夢見ました。
作品データ
コメント数 : 4
P V 数 : 1132.7
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作成日時 2022-09-30
コメント日時 2022-10-10
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/21現在) | 投稿後10日間 |
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2024/11/21 19時54分33秒現在
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昔付き合っていた女性を思い出しました。陽だまり・眉間・ほうれい線。何を見ても中間項を飛び越えて彼女が出てくる。無意識に憩いを見出していることに気が付きました。
0痛みでしょうか。傷と憩いの反比例が美しく感じられて、少しばかりのあなたが錠剤なのでしょうか。
0「異性としては見ないとの暗黙のメッセージ。 その仄かなる反転の予兆が」 同志的な交誼を結ぼうとするメッセージなのかもしれません。地理的に近い空間と言うのは、案外、都道府県単位で、意外と距離が有る中、研鑽を誓って居るのかもしれません。
0素敵だなあ、と思いました。 「僕の心をあなたの日々へと近づける」 初読時、この言葉が心に残りまして、「どこで見たかなあ、たぶんビーレビかな」と思い探しました。 そうして読み返すと、全ての文章が丁度よくまとまっていて、だけど退屈ではなくて、突飛な比喩ではなく「文章」自体が面白いなあと思いコメントさせていただきました。
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