冷蔵庫からだしてすぐだと痛い
沈みこむ昆布、煮干、椎茸、鷹の爪
手にまとわりついてくるにおいと粒子
【ははの記憶】
〔はは〕は〔ばば〕からうけついだ
キッチンの床下収納 米のとなりに
タッパに詰まった
〔ばば〕はいつもかきまぜていた
そうして胡瓜や茄子や人参やを掬って
いつも薄く切ってくる しかし不規則な
蒼い陶器のうえに並んだそれを
〔じじ〕は食べていた
きょうはすっぱすぎる、とか
きのうよりあまくなった、とか
むつかしくないことばが ならぶのだが
あたしには判らなかった
【ばばの記憶】
〔ばば〕は〔そのまたまえのばば〕からうけついだ
わたしにもわからない〔ばば〕の〔ばば〕
さらにそのまえの〔ばば〕から
ショウワ、タイショウ、そして太古まで――
いつからあったの? と〔ばば〕に訊くと
知らん、と云って
また胡瓜を掘りだして糠をぬぐう
scroll
作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 645.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2022-05-02
コメント日時 2022-05-02
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/07/06現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
閲覧指数:645.3
2024/07/06 20時19分58秒現在
※ポイントを入れるにはログインが必要です
※自作品にはポイントを入れられません。
また胡瓜を掘りだして糠をぬぐう その繰り返しですよね。
1そのとうりです。永遠に繰り返す、たとえ持ち主が死んだとしても。
0