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小田急線
小田急線は樹海を経由する さようなら片瀬江ノ島 海辺の町には人っ子一人いない 朝を追う列車のトイレで 一人の女性が健康な子を産み ラッシーを飲み経済新聞を読む ああ、海は優しいけれども 樹海はもっと光を遮って呉れる 光と闇には鮮やかな色彩がある 月が隣の座席で満ち欠ける あなたの為に生きているのに アナウンスは夜を越えていく 車窓を滑らかに横切っていくのは あなたの死んだ心だけれど、大丈夫、 悼むことが出来るだけの時間はある 小田急線はの乗客は 基本的に多くも少なくもない お線香みたいな匂いがする 一言も口を利かない子供の為に 食パンを恵む 愛とはそういうことだから 地平線へ落ちていく太陽が 車窓からフラッシュのように 何度も焚かれる 小田急線は樹海を経由する あなたが本気で居眠りをする時 真新しい夏の陰りで世界は輝く
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作品データ
P V 数 : 410.5
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 0
作成日時 2024-07-02
コメント日時 2024-07-03
項目 | 全期間(2024/07/06現在) |
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叙情性 | 0 |
前衛性 | 0 |
可読性 | 0 |
エンタメ | 0 |
技巧 | 0 |
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構成 | 0 |
総合ポイント | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
東京ですね。
0個人的には神奈川県のイメージです。実家のすぐ近くの川向こうが東京都だったのですが、東京はよく分かりません。 有難うございます。
0いいですね。二連、~朝を追う列車のトイレで一人の女性が健康な子を産み~なんとも刺激的な、というか悲惨な状況、ですが、次、~ラッシーを飲み経済新聞を読む~ああよかった。このことは語り手の想像だったのか。と一安心。何故に小田急線に乗りながらこのような思いで綴られるのか。そのことを示唆するのは~あなた。~あなたの為に生きているのに~あなたの死んだ心だけれど~。むむ、これはあなたに対する相当に根の深い恨み節。絡めて~樹海を経由する。そして月の満ち欠けなど、妊娠や出産または堕胎、に関与した死の匂いに誘われてしまう。不幸な出来事を思い浮かべてしまいますね。それが小田急線なのか?といえばわたしは想像します。つまりこの語り手はあなた、小田急線に乗る(あなた)を思い語らせているのです。これ二連などは意味内容を掴まないと過激なだけだと受け取られてしまう心配もなきにしもあらず。笑。まあいい出来の詩だとは思いますが、べつに小田急線や乗客自体に責任があるわけでもなく。この少し裏日れた気持ちを和らげる表現があってもいいのではないか。とも感じました。
0そもそも「樹海」が、自殺の名所として有名なあの樹海をイメージしています。 寝ている間に樹海を通り過ぎていく。何度も死の淵を越えながら誰もそれを知らない。 死者を乗せる終電なんて怪談もありますが、目を瞑っているだけで気付いていないか、 そこが死者の国だと知りながら美しいと感じることを認めざるを得ない。 うらびれた、そんな言葉が似合うのはむしろ南武線ですかねぇ。 電車が好きな訳ではないのですが、乗っている時間が長かったので、思い入れがあるんでしょうね。 ちょっとくたびれた感じがあるのはなんとなく分かります。
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