俺は夜を手に入れた
首の周りにジッパーのついた黒猫をなでると
何が現実で何が夢なのかもう分かっていた
雲間が口に含んでいた天使のその光を降り注いでいる
黒色の写真は消えたい気持ちでいっぱいだった
なぞられた傍からひび割れていく
どうして魚がこんなに美しく泳げるのかと言えば
その海が絶えず濡れた体をくねらせるからだろう
俺は夜を手に入れた
首の周りにジッパーのついた黒猫をなでると
何が現実で何が夢なのかもう分かっていた
ピカソの画集から破った紙で
答えを包んでやろう
冷蔵庫の中にしまっておこう
洗面所で髭を剃った後に見る自分の顔の中にも
答えが渦巻いていたのだ
蛇口の口から肛門までは路地裏で
背中を刺された水たまりがうつ伏せになっている
蝸牛の殻に詰まった幻聴を拾い集め
剥き出しの眼球を守る一回り大きな涙の膜を拾い集め
静寂とブルースが流れるこの指先で
家出少女と真実の愛を結び合わそう
死にたがり屋と思い出の星座を結び合わそう
拳銃だって自殺したかっただろう
文字化けした新聞紙の繊維によって編まれた街角で
とてつもない遅さで頬を伝う雫の
周りを滑る人間たちの顔が
一つの輪になって消えた
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作品データ
コメント数 : 5
P V 数 : 709.4
お気に入り数: 0
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作成日時 2023-06-10
コメント日時 2023-06-11
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/07/02現在) | 投稿後10日間 |
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閲覧指数:709.4
2024/07/02 04時45分24秒現在
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こんにちは。 全体的に陰鬱な詩ですね。 「どうして魚がこんなに美しく泳げるのかと言えば その海が絶えず濡れた体をくねらせるからだろう」 「ピカソの画集から破った紙で 答えを包んでやろう」 「拳銃だって自殺したかっただろう」 これらの表現が秀逸だと感じました。 詩全体の陰鬱な雰囲気から、タイトルの「Border」とは生と死の境界を表しているように思いました。
0うーん、使われている単語に何らかの意味を込めていることは分かるのですが、わざわざ難解にしてみたという印象しか受けない。題名が「Border」だけど、縦書き表記にしていることに意図はあるのかな?
0ありがとうございます。
0ありがとうございます。
0ありがとうございます。
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