逝ったなら天駆け抜ける栗毛の駿馬に乗せ
水音泡立つ清流の河原に横たえ
流れ行く水面の果を見ていて欲しい
俺は世界を捨てても戻って来るし
立ち帰る先はお前の厚いその胸だけ
例え深海のうねりに紛れていようと
お前に続く道は迷わず判る
顕れたなら柔らかな肉質のその胸で包んで欲しい
白い光となり点となって消えるまで守って行くよ
精霊流しの灯りが水面を揺らす船の舳先は
風が刻んだ俺とお前の契りの指定席
何が過ろうと肩抱き溶け合いゆらゆら
揺れる船上の赤と青の淡やかな鬼火よ
二人で行こうな幽界のあの深淵まで
そこは天国かそこは楽園かはたまた
草穂が萌え立ち香る田園か
舵はあるだろか無ければ共に漕ごうな思いで導に
船を降りれば夜空の彼方に真っ直ぐ続く道がある
俺はあてどもなく荒野をさまようはぐれ犬
その日の血肉を求め貪り食らうだけ
お前に預けた泥に汚れたこの紐の先
紐は聳え立つアンデスの霊峰に漂い
ヒマラヤの紺碧の天空になびくだろ
俺は子供のまま稀にも俺を変えられない
育み導けるのはお前だけ
光と波となった俺は時空を駆け抜ける風花になる
それが荒野を独り生き抜いた過去世への見返りか
風は戻る。お前の胸元を這う指先の感触を頼りに
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作品データ
コメント数 : 2
P V 数 : 576.7
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作成日時 2023-07-08
コメント日時 2023-07-09
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/10/03現在) | 投稿後10日間 |
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2024/10/03 17時05分10秒現在
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前作も読んでいて、私には重厚に思える作品で、なかなかコメントが出来ませんでした。生々世々、そう感じました。ただ、なんでしょう、強いて言うならば、冗長さを感じます。思想は黙して語られているべきものと、そう私は信条としてありまして。言語表現でありながら黙して語るとは矛盾ではあるのですが。
0コメント、有難う御座います。冗長と簡潔、控え目と表現化、寡黙と主張・・・難しいです。 BーREVIEWさんは投稿後は修正できないようなので困っています。 定年後の趣味として始めた詩作活動ですがどこまで続けられるか、頑張ってみようとは思っています。と言っても今のところ書きたい詩はあと2作しかありません(笑)。
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