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雪下 まほろ


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結紮

2021-01-05

波の花

2020-12-06

抽出

2020-11-19

『殄滅』 右手の共有を頼りに 懐中時計が軋む音で貴女の眠りを数えた。 肌寒い ぼやけた冬のはなし 歪んだ 信仰の記録 硝子玉に転写させた光が最後の景色というすべて。 色素を明け渡すように飽和する線香と 修繕前の避雷針と、世迷言。 十二畳が気触れを訴えるまでもなく 黒海に揺られた水夫は僅かに嗤う 嗚咽を主食に添えて晩餐会を開く気だ 後退り、は、花鶏に啄まれて、微睡み。 悪い夢から覚めてもわたしの気管支は空っぽだ。 金槌を打つ。金槌を打つ。金槌を打つ。 美化された着眼点を愛しています という同素体は、決まって鮮血に飢えている。 正方形の願いを掻き消すアルコールに 能動的を植え付けられる二桁の初動 背中に住処を移した倦怠感が いっしょに燃えて、ばらばらばらばら。 さよなら さようなら かみさま 右手に抱えた毒素を異種と据えるなら 破裂音は鎮魂歌の添加物になる 飾り気のない夜を借りて 手繰り寄せの真似事に償いを孕ませる 欠乏症はわたしと、ぼくの贖罪。 残影を栄養に育った言葉が たった一つ残された、都合のいい痕跡。 (「びーれびしろねこ社賞」 応募スレッド)

2021-12-07

『経過観察』 鮭の座礁、虚空の出来事だと言わせない烙印。 窪地で育んだ粘膜 悠長な善玉菌を一掃して腫れた視界を 大地のアルゴリズムで結びつける。 低体温症になれどなれど、 倒置法が救うのは自意識だけ。 吊革の循環器を全うすることに意味があり 砂嚢とは利害関係で居続ける たったそれだけの出力変換が、 二小節の間に不法投棄されて除け者にされる。 泥濘を露呈する迄 サイケデリックは天井に張りついて 卵子の甲斐性を否定する 憂さ晴らしは痕跡を残して添加 僕達は怠惰を主食に自滅しようとしている なんて笑いながら、月を膝の上で 大事そうに、飼い慣らす。 低体温症になれどなれど、 聴診器は肺で閊えた蛋白質を探れない。 有機物としてカメリアを授け 霙を腐海に沈めた日を境として 備蓄した褐色矮星の親不孝を眺める 緩やかな塩基性は侵食して改造機 自尊心に褐色を、辟易する記憶の余韻を、 詰るバラッドから酸素だけを選り好みする。 語尾は衛星の下働きを続けて 四つの示指に麻痺した世迷言を捧げる 通過点に数えられて、逸らした刹那で いつかの私と、幻を着せる。 香水みたいな半音階先の憂い、それが。 (「びーれびしろねこ社賞」 応募スレッド)

2021-12-07

コメントありがとうございます。 ソノシート、は、ある物の例えとして置いた語になります。 安直な表現や親身な反発では不本意な解釈になりかねないと思い、このような配列になりました。 お気を悪くしたらすみません。 改めてご意見感謝申し上げます。 (結紮)

2021-01-05

コメントありがとうございます。 作品を読んで頂き嬉しく思っております。 この作品は、私の絶望を体感した重力のままに書いて生まれました。 …そうですね、嘔吐。 年齢の関係で飲酒はしないので、そういった意の昇華ではありませんでした。 (逆にそういった感覚に似ているというのは新たな発見になりました) 改めて、ご意見に感謝申し上げます。 (結紮)

2021-01-05

コメントありがとうございます。 別の方へのご返信でも書いたことになりますが、この作品は私の記憶の断片からなるものでした。 この詩を書いた日はとても明滅の激しい日で、腹足類になったかと思えば紅色植物にでもなってしまったかのような、曖昧な表現で申し訳ありませんが、それはもう欲張りな喜劇のようでした。 興味を持って頂きとても嬉しく思います。 改めて御礼申し上げます。 (波の花)

2020-12-12

コメントありがとうございます。 中途半端な感触。 私にはそれが生きている価値のようにみえて仕方がないのです。 シュルレアリスム、と仰いましたが、これは私の記憶の断片からなるものでした。そのような形に映る、というのは新たな発見になりました。 改めて御礼申し上げます。 (波の花)

2020-12-07