作品投稿掲示板 - B-REVIEW

嘉藤周


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詩人を目指している大学生です。日常のささやかな感情を詩にしていけたらと思います。 感想リプ、引用リツイートお待ちしております。誠に申し訳ありませんが、文学垢および詩人さん以外からのフォローはフォロバしません。御用のある方はDMで。

嘉藤周の記録 ON_B-REVIEW・・・・

投稿者の燈火

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ゆるします

2023-09-09

火の鳥とみずうみ 晴れた日のこと 西の向こうで 空と山とが出会うところに 火の鳥がうまれた 火の鳥は 山吹色から橙色に 橙色から茜色に きらきらと育つ。 火の鳥は 雲でできた羽を拡げて 父なる山を見下ろしながら ふらふらと踊る。 だけど火の鳥は つめたく凪いだみずうみに 羽をもがれてしまつたようで あつという間に沈んでしまった。 火の鳥が溺れ死んでしまった場所に これからわたしは帰るのだ。 (「びーれびしろねこ社賞」 応募スレッド)

2021-12-10

カシスオレンジ 女が羞恥を跳び越す前に 彼の左手の薬指と首筋に 何もないことを確認して安堵する だけどそれだけでは確証が得られないから まだ落ち着きを取り戻せぬ女もいて 彼のウーロンハイのグラスの 外側についた結露が滑り落ちるのを ぼんやりと数えたり 彼に酌をするとき 傾ける徳利の角度が これでいいのかと気がかりになったり 猥談に興じる彼の 好きな女優やシチュエーションの話に 聞き耳を立てたり 好きな人はいるのと唐突に言われて 前歯の裏まで出かかった女を ノンアルコールの梅酒なんかで流し込んだり そんなことをしたって 彼の中のわたしは唐揚げにはなれやしないのに よくもまあ塩キャベツの分際で 女々しいことができたもんだ 最後にため息を引き連れて出てきたゲップは カシスオレンジの香りがした (「びーれびしろねこ社賞」 応募スレッド)

2021-12-09