作品投稿掲示板 - B-REVIEW

ユウ アイト


投稿作品数: 0
総コメント数: 1
今月は0作品にコメントを付与しました。
プロフィール
記録
プロフィールはありません

ユウ アイトの記録 ON_B-REVIEW・・・・

"排他的恋愛水域" 空とアーキテクチュアを隔てている 稀薄で曖昧な境界線は 排他的に後者を際立たせるため 必要以上に空は虚ろで孤独に見える 空は時折 2010年の春から約10ヶ月間存在していた 寡黙で美しい彼女と重なる 僕は時折 空に向かって「愛している」 と叫んでみるが 言葉は迷子になった毳(むくげ)みたいに 稀薄で曖昧な境界線を越えて 空にフワフワ浮かび 直ちにバラバラに飛散してしまう 彼女の美しさは排他的にその他の存在を 際立たせるため 2010年の春から約10ヶ月間存在していた 僕以外には 彼女を理解しようとする者はいなかった ショパンのスコアを一緒に眺め 1つのアイスクリームを2人で舐めた 彼女の美しい脚に 腕に手を這わせた 彼女の輪郭は稀薄で曖昧だった 彼女は僕が隣に座ることを許していたが 自身の尊厳を排他的に守っていた ずっと後になって分かったことだが 「綺麗だね」 と伝えると 彼女は遠慮しがちに美しく微笑んだが それ以上の言葉は 僕の喉から発生される直前に 頭の辞書から消え 言語化されなかった 「ちょっと、まって」 と僕は混乱し 哀願するように叫ぶと 彼女は優しく微笑んだ 何処かで見落としてしまったのか おそらくそれが正しくて 1年のうち僅か数日しかない 穏やかで澄んだ秋晴れの正午を 当たり前のように見逃してしまう 現代人のように 孤独で虚ろな彼女の 愛のささめきを 空に向かって「愛している」 と叫んでみるが 言葉が 稀薄で曖昧な境界線を越えることは 許されていない (「びーれびしろねこ社賞」 応募スレッド)

2021-12-16