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Out Of This World
水面に写る花束の死骸 水面に映る大空の火葬 茜と赤に染まる世界は 不治の熱病に侵されてしまった 影絵と化した僕ら 匿名に浸る彼ら 暗い暗い痛い イタイ? 焼ける肌 焦げた心 揺らぐ蜃気楼 104 20× 304 40× 在るはずのない病室が視えた 504 60× 704 80× 誰かの両目と両手が零れ 誰もいなくなったベッド 空っぽの生気 充満する邪気 点滴を浸す藍色の不穏 錆びたメスがもたらす破傷風 屋上の潔癖なシーツを チェーンソーで切り裂く警官 救難信号を雑音と断定し 黙止する天使気取りの制服 墜落する凧の無垢と希望 ブラックボックスに閉ざされた祈り 救いのない僕らを救済するのは 神ではなくミサイルだと 枯れ果てたリリィの嘆き もう訪れることのない澄んだ季節 もう見ることのできない淡い色彩 海岸線 溺死する浮輪 水平線 燃え上がる蒼 境界線 赤蟻と黒蟻が交わり 酩酊を極める世界 海水は原油へと変わり 水道水はリキュールへと替わる 人々は赤い眼をしたまま 流れる黒い血を凝視し続ける ――こうして潔白を清廉を素面を白を正常を喪って僕は僕らは 何処へ行けばいいのだろうか 応えもなく 答えも無く 不協和音の鐘に揺れる鼓膜 モザイクに犯された網膜 痙攣に濡れたまま乾かぬ爪先 それでも?だからこそ! 絶望という名の十字架を背負い 漠然と彷徨い続ける この世界を
Out Of This World ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 902.8
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-10-28
コメント日時 2017-11-12
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
徹底的にバイオレンス。まるで貧困地域の内戦になげとばされて居るかのようであり、跳ね除ける強さを持てずに屈してしまう様なこの世界は、私の居る世界の外れには確かにあって、生き地獄を私に想像させます。
0まさに極彩色の世界、ですね・・・ 赤々と燃え盛るような水面に、匿名のシルエットとして並ぶ〈影絵と化した僕ら/匿名に浸る彼ら〉 鮮明に立ち上がるイメージ。〈在るはずのない病室が視えた〉あたりから始まる幻視、〈空っぽの生気 充満する邪気〉といった脚韻的な音の響き、リズムで進行していく詩行。〈錆びたメスがもたらす破傷風〉このフレーズからは、野戦病院のようなイメージも浮かびますが、チェーンソー、ブラックボックス、ミサイルと投げ込まれる言葉の強さが鮮烈で・・・(最近刊行された『ブラックボックス』も連想しました)ネットサーフィンしながら、高揚感の中に取り込まれていく心境を重ねながら読みました。 イメージの立ち上がりから、ノンストップでハイテンションのまま最後まで突っ走るような感じの作品、なのですが、リーディングをイメージして書かれている、のでしょうか。 黙読で読む、時には、少し余白を用意した方がよい、ような気もしました。冒頭のように、鮮やかな映像が「見える」部分と、言葉のイメージや強度、勢いで押していく部分、そのメリハリが、もっとあった方がよい、ような・・・途中に、イメージが明白に「見える」ような部分をつくると、階段の踊り場で小休止をするような感じになって、いいかもしれないな、という(個人的好み、でもあるので、スルーしていただいて構いませんが)そんな印象を受けました。
0カオティクルConverge!!貴音さん コメントありがとうございます。死ねない、或は死なないから、狂った世界を漂いさ迷い続ける、まさに生き地獄の光景であるので、そう感じて頂けて嬉しいです。
0まりもさん コメントありがとうございます。最近刊行されたとおっしゃった『ブラックボックス』、気になります。 リーディングは特に意識はしていないのですが、確かに強弱や余白があまりないというか、イメージを隙間なく突っ込んでいる感じが、改めて読み返して思いました。作品の世界観の中で、そうしたメリハリをつけるのは中々難しいなぁとも実感します。
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