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私の空
ブランコをこぐ。 体がふわりと宙に浮いてはまた沈む。 それはまるで振り子のように 或いは規則正しく動くメトロノームのように ゆらゆら揺れ動くそれに、無邪気にはしゃいでいたことを憶えている。 高くこげばこぐ程に、深い深い青色が。その青色に浮かぶ白が。 手を伸ばせば小さな手のひらに届くように思えて 広い広い空を、ひとりじめしているように思えて とても好きだったことを、憶えている。 くるくると季節は廻って もう一度こいだブランコは、記憶の中のそれよりもずっと小さくて、空は遠くて、揺らぐ視界からはとても"楽しい"という感情はなくなっていて。 ゆっくり、ゆっくりと自分でも気づかないほど。 それでも確かに、自分は変わっているのだろう これが"大人になる"ということなのなら。 大人になるのは、なんと淋しいものなのだろう。 昔と変わらないはずの青空は、もう私の空ではなくなっていて。 頬をなでる風は、いつもより少し冷たい気がした
私の空 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 894.7
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2021-10-26
コメント日時 2021-10-26
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
昔、楽しかったこと、夢中になったことが、 大人になってから、同じように楽しいと思えない、 夢中になれない、ということがよくあります。 一抹の寂しさがありますが、 もう前に進みなさいと、自分に言われている気がします。 ほかにももっと知ることができる世界がある、経験できることがある、 そう捉えられるといいですね。
1全力で駆けていく小学生ほどの一人の児童が向かう先にブランコがあり、ブランコに乗るために駆けていく。 子どもの頃はよくブランコに乗って揺れていたなあと、そうした光景や感慨はありますね。前後に揺れて揺らしては少しづつ地や空が近くなり遠くなり。不思議な感覚を生む遊具でした。大人になるとなぜかブランコに乗ることに気恥ずかしさを感じてしまったり。
1コメントありがとうございます。 今回が初めて詩を作ったものなので、 そのように言っていただけたこと とても嬉しく思います。
1コメントありがとうございます。 実は私もブランコに乗ったとき、周囲に知人がいないか確かめて乗ったので 気恥ずかしい、という気持ちはよくわかります
1真という、良いお名前だと先ず自惚れるように好きになるのですが、抱きしめたいほど嬉しい文や曲とは、あまりに強い光を普段浴びて、当人の本文や本人のサビにたいして麻痺して来ます。そういった日頃の汚れを日々こう洗っている目的は、光により親しめる距離感を探るというのです。この中で気の合う時が、あれば楽しいのではないか。くらいに思って、憧れだけの憧れとしても考えて居ることを聴けるのは、素晴らしい。そうなんだそうなんだと、相槌をうっています。その女性(?)は、青を選んだりと生意気なのではないでしょうか?
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