桜が大きくなったよ!と笑ってた
花屋の花がこっちを見てと微笑んで
店員は口を糸で引っ張られて笑顔で
ただそれを茫然と視界に入れて
空はただただ衒ってさ
独り、ただただ脚を動かす
他人より白い肌を眺め
もしかしたら私は人間じゃないのかも
なんて笑ってみた
試しに指を少し切ったら赤くて
多分人間なんだろうと結論づけた
人と話すとき、私は何を言っているのだろう
まるで宇宙語のように聞こえはしない
店員は同じテンプレートを繰り返し
私は意味もなく笑顔を繰り返す
どこかのRPGのように
繰り返し、繰り返し
オルゴールのネジを回した
人生の繰り返し、積み重ね
オルゴールは奏で続ける
例え誰が聞いて居なくとも
ドビュッシーの月の光が好きだった
このオルゴールが好きだった
何年も経つうちに積み重なって
忘れていたよ善も悪も
私がこれまで生きてきた中で
どれだけの命が犠牲になったのだろう
そう考えながらカレーを飲み込む
生き物の産声、悲鳴が聴こえる
死にたくない、死にたくない
世界は積み重ねで出来ている
包丁に反射する私の肌はまだ赤くない
世界は積み重ねで出来ている
産声も泣き声ももう覚えていない
世界は積み重ねで出来ていた
それでも世界は同じ過ちを繰り返す
自分を積分できますか?
わかりません
積分の方法は習ったのに
自分を表す関数がまだ不明なのです
自分を微分できますか?
わかりません
微分すればするほど
同じ関数が生じて壊れてしまいます
インテグラルは今日も叫ぶ
ネジを回さずとも
生きていると叫ぶ
今まで積み重ねた意味を
未来を無き想像する夢を
__Aの手記より
作品データ
コメント数 : 6
P V 数 : 1342.8
お気に入り数: 0
投票数 : 1
ポイント数 : 8
作成日時 2021-03-11
コメント日時 2021-03-14
#現代詩
#縦書き
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 3 | 3 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 2 | 2 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 8 | 8 |
| 平均値 | 中央値 |
叙情性 | 1 | 1 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1.5 | 1.5 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0.5 | 0.5 |
総合 | 4 | 4 |
閲覧指数:1342.8
2024/11/23 16時56分09秒現在
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追記 ここでのインテグラルとは積分、積み重ねを意味します。ちなみに本来のインテグラルよりもシグマの方が意味が近いかもしれません。とだけ言っておきます。
0インテグラルと言う積分。空の衒い。ゲームのような感覚。音楽に対する嗜好性。人類の壮大な叙事詩に対する含羞。自分を積分するとは?積み重ねで出来ている世界。同じ過ちを繰り返す世界。叫ぶインテグラル。回される螺子。この世界は詩で出来て居る前にリアルな現実で出来ていて、その現実を覆う秩序は手強いと言う認識からできていると詩だと思いました。
0コメントありがとうございます。 今回はインテグラルを何を表すのか、インテグラルから見た世界、繰り返される世界、積み上げられて積分された結果は?、予測不可能な世界などうまく言語にできない世界感でしたが螺旋のような世界と言われるとそうなのかもしれません。
0コメントありがとうございます。 今回の作品は基本的に遠くから人間を俯瞰しているそんな自分を俯瞰している、の繰り返しの詩なのでそのように感じるかもしれません。
0人間は毎日沢山の動物を殺していきてますが、なんだかその意識が薄い気がします。もっと強い意識をもてば残飯を減らせるんじゃないんでしょうか?
0コメントありがとうございます。 残飯を減らすには実際に屠殺している映像を見せるなど方法はあるような気もしないでも無いですけど、それもそれでトラウマになりそうですよね。動物をたくさん殺すのも人間らしさとして嫌いじゃないです。好きでも無いけれど。
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