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夜の輪郭
錆び付いた夜に何も望まないように 君と淀んだ光を浴びたい 青のルビィが二度と歪まないように 汚れた花びらを噛み砕きたい 窪んだ眼に泪を溜めて 滲んだ夜を転げ落ちよう 君は愛の何を知ってるの 何も知らない僕に教えてください 泡立った心臓にアルコールを垂らして 誰も知らない化学反応 貼り付いた声に耳を閉ざして ヒビの入ったステンドグラス 注いだ悪意で 月の眼差しがぼやける 潤んだ唇に咲いた血が綺麗で とろとろの自己犠牲が溢れて 叫んだ後の空気が甘ったるくて ぼろぼろの歯が溶けていく 諸々の事情で 夜は咲かないらしい
夜の輪郭 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1471.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2020-06-18
コメント日時 2020-06-20
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 2 | 2 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
様々な象徴性が輝いていてとても面白かったです。特に初めの方の「錆び付いた夜」「青のルビィ」「泡立った心臓にアルコールを垂らして」最後の方の「とろとろの自己犠牲」などは比喩表現凄いなと思わされました。 二点ほど引っかかったのが「泡立った心臓にアルコールを垂らして/誰も知らない化学反応/貼り付いた声に耳を閉ざして/ヒビの入ったステンドグラス」の四連は二連目と四連目が体言止めになっていて対照的な構造で書かれていると邪推したのですが、前者の「誰も知らない化学反応」に対して「ヒビの入ったステンドグラス」が具体的にパッとイメージを浮かべられる言葉で、この四連で追いかけられていた詩のイメージが私の中では断線してしまった感じがありました。そのせいなのかもしれませんが、終わりの「諸々の事情で/夜は咲かないらしい」という一節が『なにが咲かないの』と思ってしまい(そのまま‘夜が咲かない’ということだと思いますが)、最後に作者に放り投げられた感じがしてしまいました。(もちろんそれが狙いということもあるかと思います) とは言え、イメージの連関はとても魅力的でした。ありがとうございます。(ちなみに最後の「ぼろぼろの歯」というのは薬物的なイメージなのでしょうか、少し気になりました。)
1コメントありがとうございます。 比喩表現の多い詩ですが、一貫して「まっさらなものが夜に蝕まれる」という意味で、少年の初夜にも、薬物によるトリップにもとれる内容にしたつもりです。 この作品を書くにあたってひとつのテーマとして「比喩で表現できる世界の解像度」を設定してみました。 なので比喩表現を褒めていただきとても嬉しいです! ただ、比喩表現を基本とした構成のために抽象的すぎる作品になってしまうことは制作段階でも課題のひとつでした。 「美しく、派手であるが飛躍しない比喩表現」を目指して制作をしていましたが、やはり疑問を抱かせるような部分があったことは反省点です。 「ステンドグラス」は私の中で「心の膜」を意識した表現なのですが、「化学反応」が実体のないものなのに対して、「ステンドグラス」は実体のあるもの。 このふたつを対比させてしまったことが混乱の原因であるかと思います。 また、「夜は咲かない」は少年の一抹の後ろめたさ、バッドトリップをまとめて表してくれる結末を担う言葉だと思っています。 改めてコメント、批評ありがとうございます!自分では気づけないこの詩の魅力、反省点に目から鱗が落ちるようでした。
0追伸 初夜の意味を誤解していました… 初めての交わりという意味で使いました…
0コメントありがとうございます。 最後の二行は音韻の関係でこれしかないと思って書いたので評価していただきとても嬉しいです!
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