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小くじらとあなた
ここは、深ーい深ーい海 星のきらめきがかすかに差し込んでいる あったかくて 眠ったまま泳げそう 僕は小くじら 君と同じくらいの歳 僕たちは離れた場所にいるけど ずっとずっと友達だよ あれは ぼくのお母さん たぶん この星でいちばん大きい ぼくは きゅう きゅう と鳴くけど お母さんは ぼーん ぼーん と鳴く 懐かしくて 元気になる きれいな声 きゅう きゅう ぼーん ぼーん きゅう きゅう ぼーん ぼーん 僕はいま 君に届くように 鳴いているよ ここは きれいな きれいな 海の中 僕とお母さんしか いない おっと 忘れてた 僕には子分がいるんだった 背中にひとり 脇にひとり おしりにひとり 尾ひれにひとり 優しくて いい奴ら 喋ったことはないけれど 僕はお母さんとずっと一緒 だけど お父さんは離れたところにいる ずっと ずっと 何キロメートルも向こうに 今から僕とお母さんで会いにいくよ きゅう きゅう ぼーん ぼーん きゅう きゅう ぼーん ぼーん だんだん息が苦しくなってきた もうすぐ もうすぐ 父さんに会える 父さんのきらめきが すぐそこにきた お母さんが沢山息を吸って、吐く ぼーーー ぼーーー 僕も 沢山息を吸って 吐く ぷしゅーー ぷしゅーー 海の外はすこし寒くて ぷるぷるふるえた お母さんも ぶりんぶりんと 震えている 僕と母さんが ふるえるから 海もふるえる それくらい 僕たちは 大きいんだぜ 見えた あれが 僕のお父さん 僕たちよりは 小さいけど 夜になると 僕たちを照らしてくれる たまにしか 現れてくれないけど まん丸で きらきらひかる 僕のお父さん 一度 君にも 会わせてあげたいよ 母さん お父さん笑ってるね 頷くように まばたきする母さん そろそろ お家に帰らなきゃ すこし眠って 旅の準備をするんだ 今度は 君も一緒に 泳ごうよ またいつか 会う日まで きゅう きゅう ぼーん ぼーん きゅう きゅう ぼーん ぼーん きゅう きゅう ぼーん ぼーん ざぶーん ざぶーん ざぶーん
小くじらとあなた ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1179.6
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-05-05
コメント日時 2020-05-11
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
まどみちおを想わせるような、 ひらがなの使い方が印象的でうまい作品だなと思います。 まず、タイトルで心が持っていかれました。
0これはとても童謡的で優しい詩ですね。 老若男女問わず受け入れられると思います。 絵本になったらもっと好かれそうだなと思いました。
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