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内省モラトリアム
顔立ちも悪くない 品行方正で 女の好みも趣味も そこそこ良くて だけど誰も近づけない空気がある それはあの子だけが持っている欠陥 そして美点 ツァラトゥストラが好きで 帆船の模型を作り 窓の外を虚ろな目で 眺めては 口をつぐんで 考え込む 内省モラトリアム 「わけわかんない」 そう指をさされ マッチ棒で ピラミッドを作る 哲学者にも似ている その整った横顔 だけどあいつだけが醸し出す近づきにくい欠点 ポアンカレ予想の ドキュメント 楽しそうに鑑賞しては メールも途絶える 塞ぎがちな目で 遠くを見つめる 内省モラトリアム 合わせ鏡の向こうに映る 自分の姿を見つめては 幾何学的な思索にふけるあの子は 厭世してみて 世の中を俯瞰しては 思うところがあり 彼の基準は謎めいて 許されるのは 食事時の笑顔 左回りで回る地球 空想してみて 微笑んで 苦しみとか絶望とか 退けては 叶う夢を見る 内省モラトリアム 誰も知りえない 秘密を抱えて どこにでもいるふりをして その実態は希少種そのもの 忘れた頃に現れる 彼の名前は内省モラトリアム
内省モラトリアム ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 918.1
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2017-06-21
コメント日時 2017-07-02
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
造形する手つき以上のものは感じられなかった。残念です。たしかにこの詩は「内省モラトリアム」という言葉を使いたいがために作ったようなものなので致し方ないかもしれません。自分でも手慣れた調子でインスタントに作ったものでもあるので。精進します!
0〈だけど誰も近づけない空気がある〉その空気感を、いかに醸し出すか、そこが腕のみせどころなのかな、と思いました。〈ツァラトゥストラが好きで 帆船の模型を作り/窓の外を虚ろな目で 眺めては/口をつぐんで 考え込む〉青年を、外から観察して書いている、ので・・・読む側に、もどかしさが残るのかもしれません。 この青年の、内省モラトリアム、そのものの中に入り込んで、そこから世界を見たら、どんな風景が広がっているのだろう。そんなことを知りたくなりました。
0まりもさん。 コメントありがとうございます。「内省モラトリアム、そのものの中に入り込んで…」 本当ですね。「内省モラトリアム」の要素を持つ青年の内側を描写したらまったく違う詩になっていたでしょう。深みも出たし、まりもさんの仰る「もどかしさ」も避けられたかもしれません。「どんな風景が…」。そこを描けば、ポップスではなく、ある意味クラシカルな作品になっていたことでしょう。ありがとうございました。
0蛾兆ボルカ さん。 ご拝読ありがとうございます。ボルカさんは天才美少年に萌を感じる質なのですね。僕も描写する対象として、とても興味があり、好きです。天才美少年。「デカルト少年に感じる萌要素」。そこまで感じてもらえてとても嬉しいです。今度は内面に踏み込んでみると、より面白くなるかもしれません。チャレンジしてみます。
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