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秋の爆心地
ついに、わたしたちは夏を見失い 消えかかった蝉が、抜け殻に秋を託す早朝に 秋が爆発する 透明の感情に、ひっそりと名を与え 消えかかった揺らめきが、真空に秋を託す白昼に 秋が爆発する 鳴り止まぬ産声が、大気に足跡を残し 消えかかった台風が、大陸に秋を託す深夜に 秋が爆発する とはいえ、秋の爆風に呑まれるその瞬きに やすらかに眠る死者が、目覚めようとした早朝 とはいえ、秋の蘇芳に染まるその瞬きに 美しく眠る孤独が、手を伸ばした白昼 とはいえ、秋の玉露に惚れるその瞬きに 夢見に眠る宇宙が、寝返りをした深夜 秋が収束する。 秋の爆心地 爆発したその全ての早朝に、白昼に、深夜に、 秋は静かに呼吸を始める 爆発したその全ての瞬きに、瞬きに、瞬きに、 私達は静かに呼吸を止める
秋の爆心地 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 2875.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 80
作成日時 2019-09-27
コメント日時 2019-10-20
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 32 | 29 |
前衛性 | 5 | 5 |
可読性 | 17 | 15 |
エンタメ | 7 | 7 |
技巧 | 9 | 9 |
音韻 | 3 | 3 |
構成 | 7 | 7 |
総合ポイント | 80 | 75 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 4 | 3.5 |
前衛性 | 0.6 | 0 |
可読性 | 2.1 | 0.5 |
エンタメ | 0.9 | 0 |
技巧 | 1.1 | 0 |
音韻 | 0.4 | 0 |
構成 | 0.9 | 0.5 |
総合 | 10 | 7.5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
はじめまして。 「秋」という単語にこれだけ暴力性を託した作品はなかなか珍しいのではないかと思います。夏ならともかく。もしかすると秋という季節は、実は他のどれよりも刹那的なものなのかもしれないですね。
0こんにちは。 >秋の爆心地 この地点がまさにいま私のいる地点であり、いま私を中心に秋が爆発し、そして私を中心に収束したとしたら、なんと心地よい気分だろうと思います。 爆発、というある種暴力的である単語が、収束という過程を経ることでひどく爽やかな現象であるかのように感じました。肌寒くなってきたなぁ、と感じたまさに今日この夜に出会うべき作品であったと思います。
0秋が爆発、とか秋の爆心地とかとても好みです。秋とは四季の中ではひっそりとしたイメージが個人的にはあるのですが、この詩では大地を引き裂かんばかりのパワーがある。これはいいと思います。これから僕は秋に何か衝撃的な出来事があったら、自分は秋の爆心地にいるのだ、と思うかもしれません。それほど惹きつける力がありました。
0秋は、爆発しながら収束する季節ですね (詳しくは、上の詩をチェックだ!) 感想ありがとうございます。秋の魅力を少しでもこの詩を通して感じてくれたのなら、ウルトラ嬉しい。ありがとうございました!
0何回もコメントしようとして断念しているのですが、「秋が爆発する」良すぎて全部良い感じに読んじゃいます。光・衝撃波・熱風が3段階になって届く本物の爆発みたいな構成も好き。
0夏から秋への転換、季節の変わり目という主観的でけれど実際に起こっている移ろいというものへの驚嘆というものが素晴らしいほど表現されているように感じました。
0相反するものをぶつけて印象を際立たせる手法は現在でも通用すると思うし、「とはいえ」にはじまる各二行は成功しているとも思います。しかしながら、「爆心地」は強すぎるように思えてなりませんでした。「暴力的」というコメントがありますが、苛烈に過ぎ、むしろ破壊的であるように感じました。あるいは、夏の名残りをすべて消滅させる、そうした破壊的なエネルギーの現れを表すものなのかもしれませんが、私としては秋をも消し去るようなもったいなさと戸惑いを拭いきれませんでした。その点でいえばなかなか遭遇することのできない言葉のインパクトを感じたとも言えます。
0感想ありがとうございます 秋の一般的なイメージとして、やはり寂しさであったり、静寂であったりというものが多いので、それをある意味で破壊する為に「爆心地」ということばを使ったのですが、それでかえって秋へのイメージすら消し去ってしまったのならば、失敗してしまった所もあったのだと思います。 「少し古臭い詩だなあ」とか思いながら書いてたのですが、現在でもそれなりに力を持っているようでほっこり。ありがとうございました
0書きなれている人なのかなと思いました。”秋が爆発する”という、コロケーションの遠い、異常ともとれる表現に、全体が説得力を持たせて、詩の言葉として成立させていると感じました。他の詩人の名前を出すのは野暮かもしれませんが、すこし田村隆一っぽいなと思いました。
0評判良さそうなので読んでみました とはいえ、のリフレインが中也あたりの近代詩みたいでいいですね
0秋は収束するぶぶんのスペースに笑ってしまった俺は悪い鑑賞者だろうな。関係ないけど日本はいま秋なんやな。ポエムの秋やな。季節ネタ多し。まあネットポエムはいつでも季節の変わり目はそうだよね。
0感想ありがとうございます ポエムの秋だよ本当に。秋ってめっちゃエモい季節だよ。秋のある国に生まれてきた事に感謝してます。 田村隆一、好きな詩人ではあるのだけれど……。自分の言葉が欲しい……
0コメントを頂いて、勉強のためにやってきた者です。まず、当たり前なんですけどレベルが違う・・・!! 詩ってこういうものなのか!と、今まで読んできた作品より内容が理解しやすかったというのもあって、ストンと、ズシンと心にやられた感じがします。書き手の世界や言葉が大事だというのが、私なりに前よりわからされた作品です。秋がエモすぎてたまらないです。勉強させていただきました!
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