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耳鳴りの羽音 *
こつン…… パ タ たタ …… 硝子戸がたたかれ 暗い部屋で生き返る 耳鳴りがあふれだして からの一輪挿しは からのままだ 幼い頃 祖父が置いていた 養蜂箱に 耳を あてたことが ある 蜂たちの 羽音は 忘れたけれど なにかを探していた 耳鳴りは 蜂たちの羽音と 重なり ひややかな 硝子戸に 耳をあてて 蜂 になるんだ やみに耳をあて 描く やみのさき 花は咲き 花びらは風にすくわれる 花びらが風を打つ音に さそわれ 蜂は さ迷いまわる ばかり、ちりたい 花は…… どこ? いつかの部屋に咲いていた 花の手ざわりは あたたかで 一層 孤独をあぶりだし あまい蜜はよりあまく 一輪挿しにはいつだって 花が咲いてた 枯れもせず 蜂になりたい なんのため? こころから飛び出した手 だれかのこころに 触れたい 花に? 女王蜂の蜜に 乾いた こころをひたしていた 安らかな 日々 ふたつのこころが 融けあい 生まれた ふれれば消える儚い花は耳鳴りを包みこみ ふたりの間で 静かに咲いていた あの花の名は もうわすれた 耳鳴りが蜂になり さ迷う夜に 硝子戸は祖父の 養蜂箱 にかわる 満たされていた箱と からの部屋 そして からの 一輪挿しにはまぼろしですら 花は咲かない、からの磁器は耳を吸いつけ 羽音は吸い込まれ、耳鳴りだけが返される 蜂に…… 朝の陽に焼かれて蜂は ベランダで死んでいた
耳鳴りの羽音 * ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1107.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2018-12-11
コメント日時 2018-12-25
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
孤独で困惑して静かな慟哭って感じです。作中に出てくる花関連の繋がりも含めて、独特の味を感じました。成りたかった蜂の死で締めくくられていて、作品全体ではなく一部に、ほのかな暖かさが在る事で、より現実が、浮き彫りに成っている作品です。 言葉の配置なんですが、こちらの方が印象に残りますよってのを、残しておきます。 一輪挿しには花は咲かない まぼろしですら、からの磁器は耳を吸いつけ 羽音は吸い込まれ、耳鳴りだけが返される 音も印象に残るかと思われますが、思っただけなのでスルーでお願いします。
0つきみ 様 他所で発表した際に頂いたアドバイスを元に推敲しました。言葉の配置や使い方に変化がありますね。後は音、これが他の方からもさらに深く音を追求しては、と言われ、ひたすら推敲したのですが、現時点ではここまででした。この詩はまだ次のバージョンが恐らく現れると思います。ありがとうございました。
0ちょっと比喩から比喩へと飛び歩く印象がして分かりにくい気がしました。具体性がない。これも帆場さんの詩に期待しているからなのでしょうが、帆場さんの詩に何を期待している、と明文化しない方がいいし、今の所したくない。だからあれやこれや言わない方が帆場さんの可能性がより一層大きく開けることになりそうです。僕は現時点ではそう感じました。少なくとも帆場さんはこの詩で留まる人ではないとは思いました。
0stereotype2085 様 今回は具象的な表現を押さえて音や蜂の浮遊感を押し出してみようとしたのですが、過ぎたるは……といったところかもしれません。具象的な要素が織り込めたなら、抽象表現が飛躍する足場になるかもしれない。具象、抽象は表裏なので具象部分である詩の骨格がうまく噛み合っていないのかもしれないですね。耳鳴りの羽音バージョンⅢの推敲に突撃します。ありがとうございました。 くぅ、次回は絶賛せざる得ない作品にしてやるぜ!などと空まわりするな、これは。
0冗長ですね。改行も甘い。比較的に芯のしっかり通ったストーリー、或いはイメージの流れがあるわけですから、もっと圧縮できるしその方が効果的だろうと感じます。「幼い頃 祖父が置いていた 養蜂箱に / 耳を あてたことが ある」ここは、素朴に良い「文」だと思いました。「文」として良いことと「詩」として良いことは稍々異なるかもしれませんが、細かいことは気にしないことにしましょう。
0完備様 コメントありがとうございます。何度か改稿したのですが、冗長ですか。圧縮がまだまだ苦手なんですよね。すべて書く必要は詩にはないわけですから、まだ余計な言葉を削げるのだと思います。
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