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2023年の初秋
「僕の脳みそが、いままでそうだと考えていた通りに動いているならば、こう言うことができることは少なくとも確実だと思う。」 明るい景色や暗い景色や……他にもっと連言が連なって行くただ中に僕はいる。頬に毛が立つぞ、風に撫でるぞ、宇宙は親戚に星の響くぞ。つぎつぎに排便がされて行く秋。つぎつぎに排便がされるあの日へ、明るい景色や暗い景色や……他にもっと連言が連なって行くただ中に僕はいる(らしい)が(higher still and higher!――シェリー)、それでも僕よ沸き立て、僕よ! アカルイケシキ、クライケシキ、シヌサダメノモノ、責任ヲ負ウ主体——行く/来る……秋 Ⅱ 「初秋だった。地球を一周してきた友人が翼を休めに飛び込み自殺をした。」 九回転した後で各国旗を組み替える全通りを出力した唯一の動物。ぼくはいきてるの。地獄の底の底の底の底の底の……色彩w それは大事なプロブレムだ。聞かせてよ、骸骨友人。(to be or not to be――シェイクスピア)どの言葉を揶揄に使うか、それがプロブレムだ。ぼくはうみだ。海/山……状況の葉束を、初秋に! 三 「ぼくはうみだ。壊れた箒で、掃討する」 海中ですら翼がないと直進できない感じなのか。死体が乗船している、初秋だ。日々の泡、言葉の季語だ。海底火山に産まれた生命体でないと暗号鍵に耐えうる詩行を選定するのは難しい。(teach me half of the gladness――シェリー)言葉の季語だ。俺の体は3000の季語を持っている。保有する季語を輸入しろ。ぼくたちは(ぼくたちは?)/手を繋いでいたのに空想する/手を反らしながら 回転する/着水する 大まおう/シーッ、静かに/愛は静寂に包まれて割れてしまうクリスタル/ぼくたちは怒りに身を任せて入水するオナホール/(ぼくたちは?) 繋いでたはずの手首を返して/怒号(ドゴー)さえ聞こえない……シーッ、静かに――季語――でも初秋、初秋しか来ない ④ 季語感謝の日が初秋であるのはこれを記念してのこと。〈惰性〉で世界の一部に連言している、腐言者たちをcutする規則の導入がミルクティー(のよう)だった。最終的に葉束を、〈ジユウ〉は名詞で、最期の季語だ。〈ジユウ〉が来たら、全部おしまいだ。椅子に座るのは楽だという意味だ。もう知覚すら季語で、反故だ。123456789だ。書かれ/消える――葉束を―― 「お妃様、恋の星・金星があなたの情欲を掻き立てているが、/私を支配しているのは不機嫌な土星だ。*」 ・放課後に子宮を見たがそれも季語 ・痛かった視線は空と季語化した ・嘘をつく季語が抱擁して来るまで ・銅像になったのだ飛べない友は ・善い埃降れば初秋が海に沈む ・季語は母季語は父だと僕は思う ・この胸が季語に食われて欲しいのだ ・なお僕は季語に生きてて欲しいのだ 演劇部の美少女キャラクターはふたたび練習する、曰く――「お妃様、恋の星・金星があなたの情欲を掻き立てているが、/私を支配しているのは不機嫌な土星だ。」 もっとエモーショナルに 枯れた小枝枯葉これで晴れた彼は肥えた吠えた声だ込めた声だ枯れた雨だ舐めた雨だ裂いた飽いた吐いた生えた春だ朔だ咲いた桜 「俺の話を聞けばあんたの魂はもだえ苦しむ。 俺が話すのは殺人、強姦、大虐殺だ、 闇夜の悪事、忌まわしい所業の数々、 災いを招く陰謀、裏切り、凶悪犯罪だ**」 もっと不機嫌に エアロン、――空に論と書いて――エアロン、私はあなたを理解しましょう。あなたと私はだいぶ違うけど、違うからこそ価値があるはずです。あなたは悪事に快楽を見出す、いにしえの悪徳の人。私はそれから数千年あとの、ただの学生。でも、あなたが子供の幸せを願うなら、私も幸せでありたいのだから、ここに妥協点があるはずです。だから私はあなたを理解できる。だって、あなたがどんなに悪くっても、「着水する大まおう」よりは幾分かマシでしょう。あの日、言葉がボロボロに破壊されてから、たくさん悲しいことがありました。というより、悲しいと思うことすらできなかったのです。私たちを構成する言葉の分子が原子まで分解されて、架空の言葉として私たちは生きるようになったのです。こんな風に私たちは解釈しました――私たち架空の少年少女は死を克服したのだと。でも、責任を負うことができなければ、何になるのでしょう。私の中にあるこれらの感情を、どう表現したらいいのでしょう。私は大人になりたい。もっと言葉を使いたい。私は自由になりたい。我慢できないんです、もう。やりたいことがいっぱいあるんです。私はもっと書きたいんです。もっと上手になりたいんです。もっと知りたいんです。あなたの凶悪犯罪を責めるのはそれからです。 行きましょう、秩序は回復されなければいけません。 この道や行く人なしに秋の暮――松尾芭蕉 もう、はじまっています。 *シェイクスピア、松岡和子訳『タイタス・アンドロニカス』ちくま文庫、2004年、60ページ。エアロンの台詞。 **同書、155-156ページ。 1 僕の脳みそが、いままでそうだと考えていた通りに動いているならば、こう言うことができることは少なくとも確実だと思う。つまり、僕たちは言葉を集めだしたんだ! 2 初秋だった。地球を一周してきた友人が翼を休めに飛び込み自殺をした。そして、その翼に書かれていた、いくつもの言葉! それが最初のコレクションだ! 3 ぼくはうみだ。壊れた箒で、掃討する だって、整理しないといけない言葉がこんなにたくさんある! これからもっと増えるぞ 4 舞い散る葉束を集めて、何百通りもの仕方で、 僕たちは今日、卒業します。
2023年の初秋 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 695.3
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-11-01
コメント日時 2023-11-03
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 0 | 0 |
平均値 | 中央値 | |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 0 | 0 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
私は長い文章を書くのが苦手なので、これだけ長い文を書けること自体がすごいと思いました(変なコメント?)。 最後の方に要約のようなところがありますが、これは読み手への配慮でしょうか(違うかな?)。 「私たちを構成する言葉の分子が原子まで分解されて、架空の言葉として私たちは生きるようになったのです。」 「私の中にあるこれらの感情を、どう表現したらいいのでしょう。私は大人になりたい。もっと言葉を使いたい。私は自由になりたい。」 「私はもっと書きたいんです。もっと上手になりたいんです」 これらのところにとても切実な想いが込められているように感じられて、非常に印象的でした。 全体的に表現が独特で面白いですね。特に 「僕の脳みそが、いままでそうだと考えていた通りに動いているならば」 という表現が新鮮に感じられました。 また、末尾の「僕たちは今日、卒業します。」というのがなぜか羨ましく思えました(私はまだまだ卒業できないから?)。
1おもしろかった。
0m.tasakiさん、具体的なコメントを頂き、ありがとうございます。頂いたコメントを自分の書いたものを一歩引いた視点から見ることに役立てたいと思います。 まず、「長い文」ということですが、自分でもこれだけ長いものができてしまったことにびっくりしています。とはいえ、このサイトには普段からもっと長いものを書いている投稿者もいらっしゃるので、これが特別特徴であるという気はしていません。しかし、各連にトピックセンテンスを持たせることで、読みやすさを確保することはできたかな、と思います。長い文章を書くときに、この点を損なうことは、私にはこわくてできません。自分で読んでても疲れちゃうし。 また、最後の(7連目、になるんですかね)独白の部分を「要約」と言っていただいたのは、意外で、おもしろかったです。この部分は、正直加えるべきか迷ったところで、意図したところは、前半部を享けつつ、記述のスタイルを変えて詩に変化をつけたいと思ったのですが、どういう点で迷ったかというと、この部分には「詩的飛躍」のような要素が乏しいように見えるという点です。いま、「要約」という評価をうけましたけど、いいかえれば、それは詩の読みを一義的なものにしてしまったということでもあり、もし「詩は多義的な読みを許すべきである」ということをよりよい詩の規範の要件のひとつとして認めるならば、この部分はその点でデメリットを抱えているように思われます。 一方で、 >とても切実な想いが込められているように感じられて、非常に印象的でした。 という感想を得られたことは、列挙法が一定の効果を生んだのかな、と思っています。 最初と最後の行を印象に残せたのは、うれしいな、と思います。 コメントありがとうございました。
0多くのコメントを残されている田中宏輔さんから、そのようなコメントを頂けるのは良かったな~と思いました。
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