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想像上のトーラス
「永遠をずっと見ていたら こんなに目が悪くなった」 詩人は昨日の天気予報を見逃して 出し抜けの雨から逃げていた そして考えた 永遠を見つめ続けることはできない その点において 太陽と死は永遠の近似値だった 若かった頃 詩人はカミュの「異邦人」を好んだ 太陽と死を名に持つ男に憧れた またそのころ 彼は何度か自殺を試みた しかし太陽も死も 近似値でしかなかった 無限の果ては触れない 詩人が死に損ねたのは幸いだった 死は無ではありえないから 永遠に出会いたければ 数学者になることだ 詩人も永遠に出会う近道だが 出会う頃には詩人でいられない ………… 走馬灯はそこで息切れた 詩人は雨の中を 洗濯物を取り込みに 帰る途中で車に撥ねられた
想像上のトーラス ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 543.7
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2023-05-08
コメント日時 2023-05-08
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
こんにちは。 何か不思議な感じのする詩ですね。 二連目の表現が秀逸だと思います。 タイトルにある「トーラス」とは、ドーナツの表面のような輪環面のことだそうですね。 そのトーラスは永遠のメタファーでしょうか。そして「想像上の」とは近似値を表しているような、そんな印象を受けました。 末尾の「車に撥ねられた」とは、実話でしょうか、創作でしょうか。 創作だとしたら、それは前段の「出会う頃には詩人でいられない」というところを承けた、詩人としての死を表したものなのかな、と受けとりました。
1コメントありがとうございます。二連目はラ・ロシュフコーの受け売りですけどね……
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