別枠表示
逃避の地図
学校を休みたい 欠陥を隠し持って 血管みたいな樹を植えて 学校を休みたい 鉄の柵に囲まれた牢獄 木目波打つ独房の頸木 拙い生徒の思想は、排泄物の如く 校門から流れて如く そんな学校を休みたい 春夏秋冬、時々試験管にねじ込まれて 論理とか、知識とか、思考なんだら入れられて、かき混ぜられて ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぐるぐる ぼくの頭も ぐるぐる ぐるぐる 心もぐるるん 「コイツハダメダ」 「コイツハイイ」 火星みたいな、そんな学校を休みたい ハビタブルゾーン出てますけど? 先生!価値って何でしょう? 「尊いということでしょう」 ぼくはぼくの血が尊いです=自尊心 学校はぼくが欠陥です=エスノセント 自尊排他主義 こんなものに歯向かう為に 時間とか、睡眠とか、胃痛とか、シャーペンとか、友達とか、本とか、歯ブラシとか、涙とか 使ってられないです だから、学校を休みたい どうか、 ぼくを閉じ込めないで ぼくの血管を間引かないで 学校を休ませて 謂れの無い裁判は受けません 教育の奴隷には成りません カウンター・スチューデントのプロテスタンティズムは 数学の授業中に『正義と微笑』でも、哄読する所から始めましょう ぼくの辛酸を鯨飲して 血管みたいな樹よ育て! そんな密林の素敵なツリーハウスを出て ぼくは今日も通学路を踏む てくてく ザクザク ガタンゴトン たたたた すたすた てくてく ぱちん ぞくぞく てくてく ガタゴン おはようございます、諦観。
逃避の地図 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1004.3
お気に入り数: 1
投票数 : 0
ポイント数 : 5
作成日時 2022-02-23
コメント日時 2022-02-24
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合ポイント | 5 | 5 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 0 | 0 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 1 | 1 |
技巧 | 1 | 1 |
音韻 | 1 | 1 |
構成 | 1 | 1 |
総合 | 5 | 5 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
室町礼様、お読みいただきありがとうございます。 作詩経験豊かな方にお褒め頂き、光栄です。 快哉や欺瞞を表現するべく、言葉を選んでいる時間が至福です。
1残念ながら、私にはすべてが嘘っぽくて上滑りな印象。嘘っぽくて上滑りな「マンションポエム」(よくある分譲マンションのキャッチーなコピー)のようなポップさがあれば、それはそれで私は好みではある。けれども、本作品から私が感受するのは、話者の気持ちを表現されている言葉の上滑り。作品内にある先生が語るような評で恐縮だけれども、学校を休みたい気持ちもそるに諦念を持つことも、普通。普通なことを普通に表現しても別にそれはそれでよいのだけれども、その普通さからの逃れが本来この作品に在るべきスタイルではなかろうかと思う。つまり、内容にスタイルが負けているのだろう。スタイルを持つことは困難なことなのだろう。 室町さんも触れていらっしゃるけれども、作者さんのお名前ぐらいに際立ちのあるスタイルを示して欲しい作品だった。
1三浦果実様、お読みいただきありがとうございます。 確かに、登校を拒否し、その逃避に諦観を持つことは、普遍的な懊悩かもしれません。その普遍さを突き破るの怠り、日本語の美しさに頼りすぎていました。詩作を考えさせる、素晴らしいご意見をありがとうございます。
0