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おちこちに御血のしたたる染みのあと
それはただ、ひとつの空間であって 忘れてよいものであった、 私が認知するべきものとするべきでないものを 区別することを意図的に止そうということは 膨大な無言を抱え込むことを意味しており、 最早抱え込んだ幽霊どもが 絶えずわたしの行動に対して けちをつけるような嘲りを そう、どういうわけかこういう場合に 親切な忠告や誠実な助言でなくて 嘲りであるということ で、イエスが復活したときにトマスが 「あの人の手のひらの釘の刺さった穴にこのトマスの人差し指を突っ込んでみなければ信じない」 と言い、イエスは実際に突っ込ませた後で 「トマス、あなたは突っ込んだから信じたのか?言葉だけで信じる者は幸いである」 「幸いである」なんて日本語があるかい、 俺はよく分からないが興奮する。「言葉だけで信じる者は幸いである」?トマスは偉い。死んだものは蘇らない、それで良い。愛ゆえに、イエスの死を確信した。死を疑わなかった。復活を信じなかった。それは愛だ。 ハイヌウェレ神話類型の、町の 田には二三人の人柱が沈んでいて 血の染み渡るような旧い農家の妻籠に 切り取っている青空へ 巨大な重力が張り付いている 空気や、言葉や声色にだ、 99回目の飛び込みでやっと彼は 彼の街を見つける そうであってほしい
おちこちに御血のしたたる染みのあと ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1220.3
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2021-06-15
コメント日時 2021-06-16
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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エンタメ | 0 | 0 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
好悪で批評をしてはならないのでしょうが、凄まじく好みです。 終聯のアクロバティックな叙述には、思わず舌を巻いた次第でございます。
0コメントありがとうございます。 「確信した」は「確信していた」のほうがよかったかな、と今思いました。
0こちらは舞城王太郎の「奈津川血族物語」三部作を読み終えて、興奮して書いた詩です。
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