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きみのせい
「不幸があると、他人のせいにしたがるだろう。人でなくても、組織だったり、国だったり。何故かってそっちのが楽だからだよ。」 「ミルクとガムシロップは混ぜきらないように」と君は、私と違い価値観を強要するような素振りは一切見せず、歌を歌うように言った。ガムシロップは比重が大きいのだろうか、底に底に落ちてゆく。甘い部分はずっと奥深いところに残り続ける。私だってきっと同じだ。 雲の切れ目から、ベールの様に柔らかい光が刺している。君は「天使でも降ってきそう」と、窓の外を見ながら、これまた飛び切り優しい光を私に向けた。「君のことかい?」と贅沢にもその雰囲気を台無しにしてみたけど、君は意にも介さない様子で私の甘い部分を飲んでいる。天使だって人間に甘い。 私の中の半分ぐらいは君に下心を向けていた。残り半分は、君がいないのなら死んでやると意気込んでいる。そう、誰かのせいにするのはとても楽。私は君のせいで生きている。今日は少し肌寒い。アイスコーヒーはもう飲めない。
きみのせい ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1307.3
お気に入り数: 2
投票数 : 0
ポイント数 : 0
作成日時 2020-11-27
コメント日時 2020-11-29
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
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可読性 | 0 | 0 |
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※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
読んで、素敵な詩だと思いました。 「君」が「私」に対して、どんな感情を持ち、何を伝えようとしているのか、想像が尽きません。 「私」が「君」に抱く気持ちは、共感できるようで、不思議な気持ちでもありました。
1甘いです~。いいですね。どろどろしている訳でなく、素朴過ぎる訳でもない、匙加減と空気感が好きでした。
1宵月様 お読みいただきありがとうございます。 男性がいくら頑張っても 女性の懐の深さには叶わないですよね その話とは別に 人のコミュニケーションなんて誰も一方通行ですし 良く言えば片思いかなぁ 不幸を誰かのせいにしがちな世の中なので 幸せを君のせい、君のおかげって言える世の中になればと また変わっていく「私」が綴れればと思いました。
0ネン様 お褒めいただきありがとうございました! 好きな部分言って頂けるのは素直に嬉しいです 少し重いテーマをラフに伝えるのが作者である私自身の持ち味だと考えているのですが 最近小説っぽくなり これは詩なのかなぁと自問しております 物語という意味では 最後まで綺麗に綴れたと思います お読みいただきありがとうございました。
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