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駄作・遺書
二十歳になりました。人生何があるかわからないので、遺書を書こうと思います。 私の人生、良い所などあったでしょうか。他人に迷惑をかけっぱなしでした。 "私にとっての"思い出やら、心底に沈んでいた記憶が、今筆をとって文字を書く度に思い出されて。 なんとも言えない気分です。 毎日同じ日々を繰り返しているようで、あっという間にカレンダーは自身を薄くしていきます。 薄情ですね、そうですね。 私が二十歳になったとき、覚えたのは"絶望"でした。 嗚呼、もう死ぬのかと。多分、三十歳になってもおんなじことを思ってます。 自分の人生が嫌に短いように感じられます。 自分の人生のけじめとして、遺書を書いているのも、そんな理由です。 母へ。 ここまで見守ってくれてありがとう、多分非常に育てづらいと感じていたんじゃないでしょうか。 こんな若くして“死ぬ、死ぬ”なんて抜かしている私ですが、当分は死なないと思います。 どうか、残りの道を謳歌してください。 父へ。 私に様々な知識を与えてくれたのは貴方でした。 私は、これほどまでに感謝の言葉を述べるのがむつかしいと感じたことはありません。 それ程感謝しています。 友人Sへ。 いつも私の面倒を見てくれてありがとう。文面に記すだけじゃあれですから、今度会って話でも。 そう思っています、死んだら連絡くださいね。 ええ、私の二十年分の人生史なんてこんなくらいでしょう。礼を言う相手がほとんどいない。 即ち、『あんまり迷惑をかけていなかった。』そういう事でしょう。 罪深いですね、直らないみたいです。 治るって書くのかな?こういう時は。 長くなったけれど、伝えたいことは伝えたので、これにて“私”を終えたいと思います。 あ。 どうか、私に関しての記録を全部焼き払ってください。 そうしたら、私の事は忘れてくれて構いません。実際、結構な人が私の事を忘れているんじゃないですか? 追記、20XX年 三十歳になりました。遺書の追記です。 ええ、死にませんでした。予想通り。 でも、二十歳の時の予想は見事に外れたみたいですね。 というかいろいろと酷いですね、私の文は。 若いと言われる時期も過ぎ去って、いまはただアルバイトだけで家計を支える日々です。 いやあ、世の中の人々がこんなにも苦しんでいたとは! あ、そうですね。この遺書の置き場所についても考えなきゃいけませんね。 自分勝手ですが、追記は短めにという事で。 又十年後!
駄作・遺書 ポイントセクション
作品データ
P V 数 : 1188.0
お気に入り数: 0
投票数 : 0
ポイント数 : 2
作成日時 2020-10-02
コメント日時 2020-10-03
項目 | 全期間(2024/11/23現在) | 投稿後10日間 |
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叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合ポイント | 2 | 2 |
平均値 | 中央値 | |
---|---|---|
叙情性 | 0 | 0 |
前衛性 | 1 | 1 |
可読性 | 1 | 1 |
エンタメ | 0 | 0 |
技巧 | 0 | 0 |
音韻 | 0 | 0 |
構成 | 0 | 0 |
総合 | 2 | 2 |
※自作品にはポイントを入れられません。
- 作品に書かれた推薦文
実験的な作品です。 前々から、こういう風な作品を書いてみたいと思っていたので、形にしてみました。 稚拙な文章とは思いますので、どんなに細かい点でも批評していただけると幸いです。
1実験的な作品です。 前々から、こういう風な作品を書いてみたいと思っていたので、形にしてみました。 稚拙な文章とは思いますので、どんなに細かい点でも批評していただけると幸いです。
1作者様 拝読させて頂きました。 実験的ということで色々な方向性について考えようと思うのですが 前提として批判してるわけでは無いのであしからず タイトル度返しですが 遺書と呼ぶには些かラフで手紙と呼ぶには宛名が多いですし、自分宛の手記という感じを受けます。日記が近いかなぁ。 それこそが作品という意味なら 構成?方法?はすごく好きです。 "したためている"雰囲気が出でいるのがすごい良くて、構成のおかげか文章の力かまだ判然としません。 良さが損なわれるかもしれませんが 遺書と言うなら生々しくリアリティを出してもいいですし、手記っぽくするならテーマとかあっても良いかなぁと思いました。 本意を汲み取れていなかったら申し訳ないのですが、そんなところです。 ありがとうございました。
1一足遅れた戦友様、コメントありがとうございます。拙文ですが失礼します。 この作品を書いているときにまず思ったのが、“遺書”の書き方でした。遺書の書き手の思いを吐き出すように書く、というのが今回の私にとっての課題でした。 >遺書と呼ぶには些かラフで手紙と呼ぶには宛名が多いですし、自分宛の手記という感じを受けます。日記が近いかなぁ。 とのことでしたが、それはまさに今回の課題、「遺書の書き手」の設定に沿った書き方によるものですね。 「吐き出す」と言った通り、自分にあてているわけです。何かの償いにでもならないかとか。 自分宛という事は、自己満足の手紙なんですね。遺書と題しておきながら他人に読ませる気がない、と言ったところでしょうか。 なので、実際の遺書とはまた違った文章に仕上げてみました。 その点をご評価くださっているという事で、私としてはうれしい限りです。 * テーマ。といいますと、また設定の話に戻るのですが、今回の詩で大切にしたのが「時間」です。 時間は止まらないし、それと同じに書き手も変わるので、心情や文を敢えて崩してみたり、背景色が薄めの文に仕上げました。 が、逆にテーマがあっても違ったテイストの作品になって面白くなりそうだな、と思いました。書き手の基本的な感情に沿って書くとか、そういったことも大切にしていきたいです。 コメント再度感謝します。
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